がんばれ!東北!地域情報「イベント」記事一覧

城下町の雰囲気と大正モダニズム、レトロな建物が点在する山形市街地。

2017年06月29日

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 山形市の七日町通りには、蔵造りや洋館風のものなど歴史ある建物が点在しています。山形の町は太平洋戦争の被災を逃れたこともあり、明治、大正以降の建物が多く残っているのだそうです。今も店舗として使われている建物も多く、レトロでほのぼのとした雰囲気がある商店街です。 

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 また、七日町通りには、馬見ヶ崎川の氾濫防止と生活用水・農業用水確保のために、約400年前に開削された御殿堰が流れています。今も下流域の農業用水として役割を担っているそうですが、その一角に黒塀の町家が並び、茶舗、呉服店、セレクトショップ、カフェなどオシャレな9つのお店が入っています。その中のひとつ、そば処庄司屋で「桜えび天おろしそば」をいただきました。コシがあり、甘みのあるそばの味がしっかりしていながら喉ごしが良く上品、サクサクした桜エビの天ぷらは香ばしく、久しぶりにこんなにおいしいおそばを食べました。慶応年間から続く老舗店で、その日に挽きたてのそば粉を使い、打ちたてゆでたてを提供しているのだそうです。

20170629_02.jpg 御殿堰から5分ほど歩くと大きな洋館に突き当たります。この洋館は山形郷土館「文翔館」で国の重要文化財、大正5(1916)年に建てられた英国近世復興様式の建物です。昭和50年(1975)年まで県庁舎・県会議事堂として使われていました。現在は無料で内部を見学できます。重厚なレンガ造りに意匠を凝らした装飾、白い石畳の中庭など、広い建物の内部はどこも美しく、まるで外国のお城の中にいるようです。展示室には山形市の歴史や政治についての資料が数多く展示されています。
 七日町通りの他にも山形城址や教育資料館など、山形市内には古い建物が残っています。古い時代の風情を感じながら町歩きを楽しんでみませんか。6~7月上旬は、さくらんぼが実る季節です。さくらんぼの産地の天童市や東根市に足をのばして、さくらんぼ狩りをするのもおすすめです。

 秋山質店のある郡山市から山形市へは、東北自動車道と山形自動車道を通り、車で約2時間です。新幹線では郡山―山形駅間が約1時間半、山形市内には100円循環バスが10分間隔で運行しているので、公共交通機関を利用して出かけてもよいでしょう。


(写真/記事:島崎聖子)

宮城県丸森町で発見!お宝だらけのお屋敷に 遺跡のような石のオブジェ

2017年01月25日

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 宮城県最南端の丸森町にある蔵の郷土館齋理屋敷は、江戸時代後期から昭和初期にかけて七代続いた豪商「齋藤屋」の屋敷跡です。代々の当主が理助と名乗ったことから「斎理」と呼ばれるようになりました。この斎理屋敷では、雛まつりや端午の節句、約1000基の灯篭に明かりが灯る斎理幻夜など、年間を通して様々な行事や特別展も行われ、たびたびテレビなどで紹介されます。それで、なんとなく知っているような気持になり、これまで見学したことがありませんでした。

20170125_01.jpg ところが先日、丸森町で見学をしてびっくり。通りに面した店舗の奥にはいくつもの蔵、大きな居宅や石風呂、洋風建築などたくさんの建物があり、入れの行き届いた庭が広がっていました。敷地面積は6535㎡で、12カ所の建造物が国の登録有形文化財に認定されているのだそうです。それぞれの建物内には様々な事業で使用した道具や資料のほかに、美術品や工芸品、衣類や家族の写真などが展示されていて、往時の齋藤屋の繁栄や人々の暮らしが偲ばれます。蔵の壁には使用人の落書きなどもありました。意匠を凝らした建物と庭の美しさにも魅了され、鳥の声だけが響く静けさの中、いつまでも屋敷の中に座っていたくなりました。
 2月3日(金)~3月26日(日)には春の企画展「齋理の雛まつり」が開催されます。40畳の座敷に、享保雛や古今雛など代々伝わるお雛様の段飾りを披露されるのだそう。この機会にぜひ訪れてみてください。

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 齋理屋敷で館長さんから伊達冠石の採石場に石のアート群があると聞き、私はその後、大蔵山に向かいました。伊達冠石は2000年前に地表に現れた安山岩の一種です。とても硬質な石で、年を経るにしたがって色合いが茶色に変化するとのこと。墓石などにも利用されるほか、世界的な彫刻家イサム・ノグチ氏が作品の素材として使用したことから、多くの彫刻家からも注目を集めるようになりました。
 山道を登って採石場に行くと、突然視界が開けて巨大な石のオブジェが現れました。人の姿はなく、広大な空間を風が吹き抜け、まるで古代遺跡のような迫力です。異空間に迷い込んだような不思議な気持ちになりました。この場所にはアーティストたちが集い、ワークキャンプや音楽会、ガイドツアーなども行われていると聞きます。旅行ガイドブックにもあまり掲載されていないとっておきの場所を発見したようで、とても嬉しくなりました。

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 秋山質店のある郡山市から丸森町までは、東北自動車道を利用して国見ICから国道349号線を通り約1時間です。また、福島駅から阿武隈急行線を利用して行くのもおすすめです。車窓から阿武隈川の美しい風景を眺めることができます。暖かくなったら、丸森町へ出かけてみませんか。

 
(写真/記事:島崎聖子)

100余の鳥居と250万本の菜の花畑 宮城県白石市~角田市のドライブ!

2016年05月10日

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 5月の連休に宮城県の白石市と角田市をドライブしました。最初の目的地は、白石市街地から車で30分ほど、福島県境近くにある萬蔵稲荷神社です。駐車場に車を停めて、目を上げるとびっくり!目の前に赤い鳥居がずらりと並んでいます。参道には100基余りも鳥居があるそうです。赤い鳥居がトンネルのように連なる参道の美しいこと。京都の伏見稲荷大社のように大規模ではありませんが、山間にあるので新緑に包まれており清々しく静寂で、心が落ち着きます。奉納した人の名前を見たり、数を数えたりしながら鳥居をくぐり、木々の緑を眺めながら坂道を上ると、正面に本殿がありました。

20160510_01.jpg 境内には熱心に参拝をする年配の方々の人の姿がみられました。どの人も境内にある社殿をすべて巡り、一つ一つ丁寧に参拝をしています。鳥居がたくさん並んでいるのも願い事が叶ったお礼として鳥居を奉納したためですから、人々の信仰もご利益も大きいのでしょう。
 次に向かったのは、角田市で4/29~5/5開催された「かくだ菜の花まつり」です。角田橋下流右岸の阿武隈川河川敷3.2haの畑に、約250万本の菜の花が植えられていました。一面菜の花に覆われた風景は壮観です。菜の花が黄色に輝いていて、太陽の光がここだけに集められたような明るさに満ちていました。花畑の中には通路や見晴らし台、テーブルとイスが設けられ、菜の花の中でのんびりと過ごすことができます。土手では凧揚げも行われていました。

20160510_02.jpg 「かくだ菜の花まつり」は、ゴールデンウィーク期間中に毎年開催されます。萬蔵稲荷神社は、東北道を利用すれば秋山質店のある郡山市内から車で1時間程度です。春には宮城県南の美しい風景を巡る、こんなドライブはいかがでしょう。

 
(写真/記事:島崎聖子)

石割桜に高松の池、盛岡の桜が見頃に。

2016年04月20日

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 4月18日に岩手県盛岡市に行きました。仕事で1年に10回ほども行くのですが、桜の時期に出かけるのは初めてです。盛岡といえば石割桜。盛岡都心循環バス「でんでんむし」に乗って裁判所へ向かいました。このバスは盛岡市街地を巡回していて、どこで乗り降りしても料金は均一100円。300円の1日フリー乗車券は観光に便利です。
 石割桜というのは、盛岡地方裁判所の玄関前にある大きな岩を割って生えている天然記念物のエドヒガンザクラです。この日はあいにくの小雨でしたが、裁判所の入り口には、たくさんの人が桜を見に訪れていました。遠くからでも、すぐに桜の花が見えました。周囲約21mもある巨大な花崗岩の裂け目から太い幹が伸び、大きく枝を広げていっぱいに花をつけています。初めて見る満開の石割桜に、ただただ圧倒されました。桜の木が、これほどの石を割るというのは不思議でしかありません。落雷でできた石の裂け目に桜が育ち、その成長に従って完全に石を割ったのだそうです。桜の樹齢はおよそ360年、今も割れ目は大きくなっていると言われています。懸命に育ってきたことが伺える、ねじれるような幹と、空を覆うような可憐な花の姿には感動してしまいます。夜にはライトアップされるそうですが、夜桜は一層、幻想的ではないでしょうか。

20160420_01.jpg 石割桜を見た後に、高松の池にも足を伸ばしてみました。高松の池がある高松公園は、市街地から少し離れていますが、盛岡駅からバスで約15分です。約10.5haもの大きな池を囲むように桜の木が植えられていて、こちらも桜の名所です。池の周囲には1.4㎞の遊歩道が整備され、ボートや遊覧船から景色を楽しむこともできる、市民の憩いの場所でもあります。この日の高松の池の桜はまだ3分咲き程度でしたが、ボート乗り場のある南側の入り口付近は満開でした。

20160420_02.jpg 高松の池から車で5分ほどの場所に、盛岡市で有名なパン店「福田パン」があります。コッペパンにその場で好きな具を挟んでもらえるお店です。クリームやあんこなどの甘いものから、サラダやお肉、スパゲティなどのお惣菜まで、60種類近くあるそう。具を幾つか組み合わせてオーダーすることも可。自分好みのサンドウィッチを作れるのが魅力です。テレビ番組で紹介されてから一層賑わいが増して、永田町の本店の駐車場はいつも車でいっぱいですが、車でお出かけの方は立ち寄ってみてはいかがでしょう。出来立てのふわふわなパンで作ってもらうサンドイッチは、本当においしいですよ。この日私は、バスで移動していたため本店に立ち寄ることができなかったので、盛岡駅北改札の売店で福田パンを購入しました。こちらも、出張帰りに購入する人でいつも賑わっています。

20160420_03.jpg 石割桜は今週いっぱい、高松の池はこれからが見頃です。秋山質店のある福島県郡山市一帯は桜の時期を過ぎてしまいましたが、もっと桜を見たいという方は、盛岡市を訪れてみてはいかがでしょうか。郡山市から盛岡までは車で4時間程度、新幹線を利用すれば1時間40分程度で行くことができます。ぜひ訪ねてみてください。

 
(写真/記事:島崎聖子)

蔵王ハイラインが無料に!錦繍の山をドライブしては。

2015年10月15日

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 宮城県と山形県の境にある蔵王連峰は御釜や樹氷の美しさでも知られていますが、紅葉の名所でもあります。頂上付近の紅葉が始まったというので、10月1日に、さっそく車で出かけました。宮城県側から遠刈田温泉を通って蔵王エコーラインを上ります。走り始めはきらめく緑が美しく、上るにつれ、徐々に木々の葉が色づいてゆきます。こまくさ平を過ぎると、斜面が鮮やかなオレンジ色に染め上げられていました。お天気が良かったので、紅葉の美しさが一層際立ちます。エコーラインから分岐し、お釜へ向かう蔵王ハイラインは全長25mの有料山岳道路ですが、2015年10月1日~11月4日の間、通行料が無料です。ハイラインへ入り、終点の駐車場に車を止めて、お釜を見に行きました。

20151015_01.jpg 駐車場から2~3分歩くと御釜が眺められる展望台があります。霧で見えないことも多いのですが、この日は運良くすっきりと晴れ渡り、神秘的なエメラルドグリーンの火口湖が目の前に現れました。優美な地層模様の岩肌に縁どられ、深い青や鶯色など日によって色が変化する水を高い山頂でたたえているお釜の姿は、まさに幻想的です。展望台からさらに数分登ると刈田岳山頂です。山頂には刈田嶺神社の奥院があり、お釜や仙台方面を望めます。

20151015_02.jpg 蔵王の絶景を堪能した後、遠刈田温泉で足湯に浸かりました。共同浴場の神の湯には、並んで座る長い足湯があります。上の段から下がるにつれ温度が低くなっているので、お好みの温度を選べます。神の湯は青森ヒバをふんだんに使った風情ある浴場で、もちろん入浴もおすすめです。共同浴場の隣には、無料の駐車場があるのも便利です。また、遠刈田温泉街には、ジェラートや豆乳ソフトクリーム、台湾スイーツなど、スイーツを販売してお店が軒を連ねているので、お好みのスイーツを購入して、足湯に浸かりながらいただくのもおすすめです。

 秋山質店のある郡山から遠刈田温泉までは、東北自動車道を利用して白石ICから県道12号線を進んで約2時間足らずです。11月4日17時から蔵王ハイラインは冬季閉鎖になります。紅葉が見ごろの今、ドライブに出かけてはいかがでしょうか。

 
(写真/記事:島崎聖子)

華やかなつるし飾りが圧巻!秋保に一足早い春の彩り。

2015年02月27日

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 秋保観光の拠点として利用できる入館無料の施設、仙台市太白区秋保町の「秋保・里センター」で、2月11日(水・祝)~3月22日(日)に「第14回手づくりおひな様展」が開催されています。

20150227akiu_01.jpg手芸サークル「こまつな会」のメンバーによる古布を使ったつるし飾りをはじめ、市民の応募作品や地域の子ども達の作品、古いひな人形などが飾られており、訪れた人たちも思わず「わぁ」と声をあげてしまうほどの華やかさです。特に目を引くのは、古布を組み合わせ一つ一つ丁寧に作られた約2500個の人形や縁起物が、高さ4mの天井から床に届くほど繋げられた「巨大つりびな」。おそらく膨大な手間と時間がかけられているからでしょう、豪華絢爛でありながら、ぬくもりを感じる作品です。一方、今年は33名から応募があった公募作品は、布や和紙、ガラスなど様々な素材を使い、デザインにも工夫が凝らされていており、どれも素晴らしい出来栄えです。また、子どもたちの作品は、それぞれ表情にも味わいがあってほほえましく、つい見入ってしまいます。

20150227akiu_02.jpg この催しは「秋保・里センター」開設年度に冬の秋保に彩りを添えようと企画されたのが始まりで、回を重ねるごとに来場者も増え、昨年は1万6千人ほどが見学に訪れました。期間中は、毎週土曜日には折り紙体験会やミュージックライブ(どちらも無料)を予定しています。さらに今年は、3月14日~18日に仙台市で開催される第3回国連防災会議に合わせて、「特別企画~日本文化に触れよう~」と題して、3月16日(月)10時~15時(菓子が空くなり次第終了)には「秋保の里 弥生茶会」(1席200円)、17日(火)10時~12時・13時~15時には「コマの絵付け」(費用200円)、18日(水)10時~12時・13時~15時には「竹細工づくり」(費用200円)も開催されます。地元、東北に暮らす私達にとっても、おひな様を鑑賞しながら日本文化を体験できる良い機会ですので、ぜひ訪れてみて下さい。

20150227akiu_03.jpg また、おひな様展と同期間中、秋保地域の宿泊施設や観光施設、飲食店を巡る「秋保温泉Hot(ほっと)ひな巡りスタンプラリー」も開催されています。スタンプを集めると、抽選で秋保温泉で使えるペア宿泊券など豪華景品が当たるほか、スタンプラリーのチラシの提示で、日帰り入浴の割引などの特典が付く施設もありますので、参加してみてください。
 人々の願いや祈りが込められた手づくりのひな飾りで彩られた会場は、明るく華やいでいて、春の陽だまりの中にいるような気持ちになります。秋保の温泉に浸かり、ひな飾りを鑑賞して、ほのぼのとしたひとときを過ごしてはいかがでしょうか。秋山質店のある郡山市から「秋保・里センター」へは東北自動車道を通って2時間程度、JR仙台駅から宮城交通バスの快速で約30分ですので、週末のお出かけにもちょうど良い距離です。

 
(写真/記事:島崎聖子)

光が作り出す夜ノ森の桜並木、1万球増で明るさがアップ!

2015年01月06日

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 2014年12月6日(土)から、福島県いわき市いわき駅前大通りで「第3回いわき光のさくらまつり」が開催されています。福島県浜通りのシンボルだった富岡町の「夜ノ森さくら並木」に思いを寄せ再現したイルミネーションで、駅前大通りの36本のけやき並木に桜の形をしたLED電球が輝きます。今年は、昨年よりも1万球多い15万球が取り付けられました。また、これまで電球は幹と枝にまっすぐ付けてのですが、今年は巻いて取り付けているので、どこから見ても美しく全体に明るさが増した印象を受けます。このイルミネーションの特徴は、電球が桜の形をしていることと、白とピンクの電球を使用して満開の桜の色彩を作り出していること。温もりのある桜色の光に包まれて並木道を歩くと、夜ノ森の桜並木への人々の想いが伝わってきます。

20150106_いわき.jpg 夜ノ森の桜並木は、樹齢100年のソメイヨシノ500本が2.5㎞ほど連なり、花のトンネルとなる桜の名所です。東日本大震災の影響で、現在も並木の一部は9時~15時まで立ち入り可能な「居住制限区域」となっています。夜ノ森では、2014年春に4年ぶりに桜まつりが開催され、夜間のライトアップも行われました。
 いわき光のさくらまつりは、ペデストリアンデッキからの風景も美しく、白とピンクの光が混じり合い本当に桜の花が輝いているように感じます。連なる光を見つめていると、青空に映える満開の桜やライトアップされた幻想的な桜が思い起こされます。長年人々に愛されてきた夜ノ森の桜並木が来春も美しく花開くように、そしてこれからも福島の人々に希望をもたらすようにと、祈らずにはいられません。
 開催期間は2015年1月12日(月・祝)までなので、年が明けても見ることができます。新年の初デートが桜色のイルミネーションというのも素敵ですね。フォトコンテストも開催しているので、記念に写真を撮って応募してみてはいかがでしょう。締め切りは1月17日(必着)です。
 秋山質店のある郡山市からいわき市へは磐越自動車道を通って1時間20分程度、イルミネーション点灯時間は17時~23時なので、仕事が終わってから出かけても間に合いそうです。車でおでかけした際は、近隣駐車場を利用しましょう。電車でお出かけする際は、JR磐越東線で1時間30分程度です。高速バスを利用してもよいでしょう。


(写真/記事:島崎聖子)

美味もホタルもおもてなしも! 小野小町ゆかりの小野川温泉。

2014年05月20日

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 アキヤマ質店のある福島県郡山市から車で約1時間30分の距離にある山形県米沢市は、伊達氏と上杉氏が居城を構えた城下町です。上杉神社などの史跡が点在し、米沢織りなどの伝統工芸や米沢牛、米沢ラーメンといったおいしい食べ物もあり、東北の人気観光地の一つでもあります。その米沢市内にある小野川温泉は、私の大好きな温泉地の一つ。米沢市街地から少し足を伸ばしただけで(史跡上杉家御廟から車でわずか10分余り!)温泉を楽しむことができるのです。温泉街には露天風呂「小町の湯」のほかに「尼湯」「滝湯」と3つの共同浴場があり、入浴料はなんと200円!足湯や飲泉所もあるので日帰りでも十分に温泉三昧できます。旅館と2つの共同浴場から3か所に入浴できる「夢ぐり手形」(1000円)を利用してもよいでしょう。小野川温泉は小野小町が病を癒したという伝説があり美人の湯といわれ、伊達正宗公や上杉藩主にも愛された温泉なのだそう。肌当たりの柔らかい湯で、入ると疲れが癒されます。

20140520_onogawaonsen01.jpg また、小野川温泉はお湯がいいだけではなく、おいしい味覚もたくさんあります。温泉のミネラルをたっぷり含んだラジウム卵は味が抜群。スーパーマーケットで買う温泉卵と、こうも違うのかとびっくりしました。蒸かしたてのおまんじゅうや、お豆腐屋さんの豆乳ソフトクリーム、源泉を利用して育てた豆もやしもおススメです。豆もやしは豆の付いた長いもやしで、大豆の旨みとしゃきしゃきとした歯ごたえが特徴。おひたしや鍋物はもちろん、ラーメンに入れてもおいしいですよ。そして小野川温泉といえば、足湯につかりながらいただけるラーメン!携帯電話で注文をすると、足湯までラーメンを運んでくれるんですよ。「足湯で食べる」というシチュエーションにワクワクして、ラーメンが殊のほかおいしく感じられます。

20140520_onogawaonsen02.jpg 小野川温泉に宿泊するなら、これからの季節がよいかもしれません。6月の第3週から11月の第1週までは毎週日曜に朝市が開かれますし、6月中旬頃から7月下旬頃まではホタルが飛び交います。小野川温泉は、ゲンジボタルとヘイケボタルとヒメボタルを一緒に見られる数少ない場所です。毎年開催される「ほたるまつり」では、ほたる茶屋が設けられたりイベントが行われたりしています。

20140520_onogawaonsen03.jpg 小野川温泉の一番の魅力は「おもてなし」だと思います。どの旅館の方も心遣いが細やかで温かく接してくださるので、実家に帰ったように安心して寛げるのです。宿泊する度に、ほんわかと温かい気持ちになれる温泉地です。のんびり宿泊した後は、米沢市から喜多方市、会津若松市へと抜ける観光コースもおすすめです。地元の人に人気の米沢の奥座敷を、ぜひ訪ねてみてください。
 

(写真/記事:島崎聖子)

秋田の名産、特産、文化を体験! 秋田県横手市の「秋田ふるさと村」。

2014年05月09日

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 ここ数年、ずっと気になっていた秋田県横手市にある観光施設「秋田ふるさと村」に、とうとう出かけることができました。秋田に出張をした際に、「食事ができるしお土産物なら何でも揃う」と地元の方に教えていただいた施設でしたが、なかなか行けずにいたのです。実際に訪ねてみて、その大きさにびっくり! 敷地面積は東京ドーム4個分もあり、食事とお土産だけでなく、東北最大級直径23mのプラネタリウムが楽しめる「星空探険館スペーシア」、トリックアートや室内アスレチックのある「ワンダーキャッスル」、秋田の工芸を展示し製作体験もできる「工芸展示館」、「秋田県立近代美術館」がありました。

20140509_yokote01.jpg まずは、ワンダーキャッスル内のトリックアートを体験してみました。まっすぐ立っているのに斜めに立っているように見える部屋(歩くとクラクラします)や、体が大きくなったり小さくなったりする部屋、空の上を歩いているように見える部屋や、小人になったように見える部屋など、楽しい仕掛けが盛りだくさんで大人も子供も楽しめます。そしてぜひ、写真を撮ってみてください!不思議な写真がたくさんできますよ。

20140509_yokote02.jpg お昼ご飯は「もぐもぐ広場」で、2013年の横手やきそば四天王の一つに選ばれた「井端屋」の「横手黒毛和牛やきそば」をいただきました。特産の横手黒毛和牛をのせたゴージャスな焼きそばです。甘くジューシーな黒毛和牛のおいしさに感激します。このお店は「横手やきそばグランプリ」の初代受賞店というだけあって、麺はもっちりしておりソースも抜群においしく、シンプルな「横手やきそば」も絶品です。

20140509_yokote03.jpg 「星空探険館スペーシア」は3/21にリニューアルオープンして、デジタルシステムの鮮明な映像が楽しめるそうです。また、「秋田県立近代美術館」では4/26~7/13に「中村征夫写真展」を開催予定です。今回は時間がなく、見学できなかったのが残念。この施設は全ての建物が通路で繋がっているので、雨の日でも傘をささずに巡ることができます。「次に来るときには十分な時間を確保して、全ての施設を見学しよう!」と思いました。4/19(土)から屋外の「チューチュートレイン」も再開、広い敷地には外遊びの遊具も揃っているので、屋外レジャーも楽しめます。
 仙台市から約2時間、福島市からは約3時間、郡山市からは約3時間半の距離ですので、日帰りも可能です。岩手県西和賀町の湯田温泉など近くには温泉地もあるので、温泉に宿泊して家族レジャーを楽しむのも良いでしょう。
 

(写真/記事:島崎聖子)

「桃源郷」は本当でした! 福島市の花見山公園。

2014年04月22日

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 4月17日に「福島の桃源郷」といわれる全国でも有名な花の名所、福島市の花見山公園を訪れました。花見山公園は、花木生産農家の方が自らの農地を長い年月をかけて開墾し、昭和34年から一般に開放している公園です。色とりどりの花々で覆い尽くされる風景は、毎年多くのテレビや雑誌で紹介されています。

20140422_hanami01.jpg 訪れた日は、ボケ、レンギョウ、ユキヤナギ、チューリップ、ソメイヨシノなど多くの花が満開で、まさに花見山のベストシーズン。あぶくま親水公園に車を停めて、シャトルバスで向かいました。シャトルバスを降りた大型駐車場からすぐに、花畑が広がります。隣の山の桜、菜の花、ボケ、歩みを進めるほどに次々と異なる花が現れて、様々な風景を見ることができます。一面の黄色い菜の花の向こうにある桜色の山、レンギョウと梅と桜のコントラスト、ユキヤナギの小路、そして花々の芳しい香り...。美しい花々と甘い香りに包まれて、夢うつつの心地です。桜の名所は日本に数多くありますが、桜の花のみが咲き誇るので、桜独特の迫力を感じます。けれども、花見山では桜の他に多種の花が咲くので、ほんわかと優しく心和む風景に感じられました。

20140422_hanami02.jpg この日も大型バスが数多く訪れ、頻繁に行き来するシャトルバスは満員で賑わっていましたが、他の観光地と異なり、散策をしていても人ごみが気になりません。花の美しさと甘い香りゆえでしょうか、大声で騒いだりはしゃいだりする人もおらず、敷地が広いので花見山の散策路を歩いていても多く人を見かけないのです。静かに、心ゆくまで桃源郷での時間を過ごすことができました。

20140422_hanami03.jpg 「みんなにきれいな花を見てもらい、心が安らげば」「花は自然災害にあっても春には美しい花を咲かせて私たちを癒してくれまる。花に負けないで、東日本大震災も乗り越え立ちあがってほしい」そんな思いで、花見山の所有者は花を育てていらしたと聞きます。花見山に佇んでいると、その想いが伝わってくるような気がしました。
 4月29日までは福島駅から臨時バスが出ており、臨時駐車場とシャトルバスも設けられています(周辺地区は交通規制もあります)。花郡山市や仙台市から車でわずか1時間、シャトルバスの待ち時間も僅かで便利です。花見山を訪れるなら、満開の「今でしょ!」です。 


(写真:川島啓司/記事:島崎聖子)

女子なら春こそ行きたい!福島土湯温泉。

2014年02月19日

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 福島県福島市の土湯温泉では2月1日(土)~3月31日(月)の期間、「ふれ愛つちゆ ひなまつり」が開催されています。今年で3年目のこのイベントは、東日本大震災後に土湯のこけし工人が復興の願いを込めて130㎝もの大きさの「日本一のこけし雛」を製作して始まりました。温泉街の各所にはこけし雛やつるし雛が飾られ、各商店に展示されているつるし雛をめぐるウォークラリー、つるし雛コンテストなどが行われます。中でも今年の見どころは「座敷雛」。座敷雛は、土湯温泉と友好地協定を結んでいる愛媛県鬼北町に伝わるものですが、鬼北町から職人さんがわざわざ土湯を訪れて技術指導をし、それに基づいて製作をしたのだそうです。ひな壇に雛人形を飾るのではなく、六畳ほどの広いスペースに山や川、野原などの風景を再現して、そこに雛人形を飾るもので、豪華絢爛で風雅、一見の価値ありです。更に今回は、福島県をはじめ山形や宮城の東北六県各系統のこけし工人さんに依頼したこけし雛が並びます。土湯の人々と支援する全国の人々との絆が作る「ふれ愛つちゆひなまつり」は、華やかな中にもぬくもりがある美しさで、雛飾りを眺めているとほっこりと心が温かくなります。

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 また、4月19日(土)・20日(日)には「土湯こけしまつり」も開催されます。こけし工人によるこけし製作実演やこけし即売会、こけし絵付けコンクールの作品展示などを予定しているそうです。さらに、昨年12月に誕生した福島市土湯温泉のキャラクター「きぼっこちゃん」にも会えるかもしれません。きぼっこちゃんはイラストレーターのサカモトタカフミ氏が地元住民のアンケートを参考にデザインをした、かわいいこけしの女の子です。

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 雛祭りにこけしにご当地キャラクターと、2月~4月の土湯温泉には女性好みの楽しみがたくさんあります。仁田沼の水芭蕉や太子堂のしだれ桜など、土湯にある花の名所も訪れたいものです。土湯温泉は福島市街地から車でわずか25分、郡山市からも1時間かからずに行ける距離です。仙台市内や山形市内からも1時間半圏内ですので、ぜひ足を運んでみてください。

 
(写真:福島土湯温泉観光協会提供/記事:島崎聖子)

今年も開催!仙台光のページェント

2013年12月10日

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 今年も冬の仙台市の風物詩「仙台光のページェント」が始まりました。12月6日(金)~31日(火)の17時30分~23時(31日のみ~24時)に、定禅寺通160本のケヤキ並木が約60万個のLED電球で覆われます。光の粒が通りの両脇から夜空を覆い、中央の遊歩道を歩くと光のトンネルが果てしなく続いているように見えます。18時、19時、20時に行われる「スターライト・ウインク」は、全てのイルミネーションが消灯して、再び一斉に明かりが灯るというもの。真っ暗な枝に無数の光が現れた瞬間には、思わず「わあっ」と歓声を上げてしまいました。サンタクロースが運転するキラキラの「ページェントカー」、勾当台公園市民広場にある高さ30mの「シンボルツリー」、勾当台公園の花壇周辺を彩る氷のようなイルミネーションなど、どこもかしこも幻想的です。アイススケートのコーナーや、宮城の食材を使った料理やビールを提供する「復興応援 キリンみやぎ絆キッチン」もオープンしていました。

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ページェントに訪れるのは宮城県内のほか、山形市や福島市、郡山市など近隣県からの観光客が多いのですが、今年は特に、外国人観光客が増加しているそうです。辺りを見回すと、外国人がたくさん歩いています。英語にフランス語、中国語、スペイン語やイタリア語?と思われる様々な言葉も耳にしました。

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 このイベントは1986(昭和61)年に始まり、今年で28回目。震災後も絶えることなく続いてきました。毎年開催されていることもあって、バスの車窓から眺めるだけの年もありましたが、今年はゆっくり通りを歩き、通り沿いのカフェでお茶をいただきながら窓からの景色も堪能しました。ぬくもりのあるオレンジ色の電球を眺めていると、28年間の記憶がいくつも立ち現れて、遠い日々に思いを馳せ...長いことぼんやりと光の世界に見入ってしまいました。

 
(記事・写真/島崎聖子)

約21万4千人が楽天選手に「ありがとう!」

2013年12月05日

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今年、プロ野球日本一になった「東北楽天ゴールデンイーグルス」の優勝パレードが、11月24日(日)に仙台市青葉区の東二番町通で行われました。今年の楽天の活躍は、地元宮城や福島、岩手など東北の被災者はもとより、日本中の人々に感動を与えたのではないでしょうか。あまりプロ野球に関心がなかった私も、シーズン後半からは殆ど毎試合テレビを観て、泣いたり笑ったりしながら必死で応援したものでした。ファンが待ちに待ったパレードは、仙台商工会議所前から五橋交差点までの区間で行われるとのこと、私はゴールの五橋交差点へ向かいました。開始約1時間前に到着した時には、沿道はすでにぎっしりと人で埋め尽くされ、パレードが通る線も全く見えません。

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聞けば、多くの人が前日から並んで場所取りをしたそう。地元仙台はもちろん、近県山形や岩手、福島の東北、はたまた東京など首都圏から来た人もいるようで、とにかくものすごい人出です。

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マーチングバンドの音は聞こえても姿は見えず、星野監督が乗っているというオープンカーの姿も見えず、けれどもバスの屋根に乗った選手たちの姿は見えました。田中将大選手は体も大きいので、すぐに見つけられます。「あ、嶋だ!」「銀次、ぎんじー!」「マギーもいる!」大好きな選手を見つけるたびに皆、大喜びです。そして次第に、人々は「ありがとう!」と叫び始めました。めいっぱい手を振りながら、誰もが声をふり絞って「ありがとう」と言っています。「夢と希望と勇気を与えてくれて、ありがとう!」。パレードに集った約21万人もの群衆の「ありがとう」に包まれて、仙台の街中には再び優勝の感動が蘇りました。

 
(記事・写真/島崎聖子)

雨ニモマケズ、日本最大級の音楽祭!

2013年10月09日

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 2013年9月7日(土)、8日(日)に仙台市の秋の風物詩、「第23回定禅寺ストリートジャズフェスティバル in SENDAI」が開催されました。今年は両日ともにお天気が悪く、聴 衆も集まらないかと思いきや...どの会場も満員御礼!雨が降り出しても傘も差さずに音楽に聴き入り、雨脚が強くなるほど熱気が増して、観客が総立ちになるほど盛り上がりました。アーケード内に演奏場所を移したバンドも多く、商店街には音が響き渡り、大勢の人で前に進めないほどの賑わいとなりました。街中にあらゆるジャンルの音楽が溢れ誰もが楽しめる音楽祭ですが、一番の魅力は、市民ボランティアを中心に運営して出演者と観客と市民が協力して開催すること。初回は25組だった参加バンドが現在は700組以上にも増え日本最大級の音楽祭に成長したのも、人と人との繋がりが土台にあるからでしょう。

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 この日、賑わっていたのは仙台市街地だけではありません。日本全国から訪れた人々は、松島へも足を伸ばしたようです。仙台―松島間の電車も満員、五大堂へ向かう橋にも行列ができ、瑞巌寺や円通院にも大勢の人が訪れていました。ビニール傘を手にしながらも皆、松島観光を楽しんでいる様子でした。今年の定禅寺ストリートジャズフェスティバルのテーマは「音楽は無限大」、音楽には無限の力と可能性があるということです。定禅寺ストリートジャズフェスティバルは、雨さえも味方につけて人々に感動を与え、松島などの被災地にも活気をもたらす、まさに無限大の力があるのだと実感した2日間でした。

 
写真提供:仙台市観光交流課  記事:島崎聖子