がんばれ!東北!地域情報「2013年12月」記事一覧

町並みに歴史が刻まれている喜多方

2013年12月16日

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10月のある日、福島県郡山市のアキヤマ質店を経由し喜多方市へ出かけました。喜多方は蔵のまち、ラーメンのまちとして有名です。まずは、蔵の町並みが残る「おたづき蔵通り」へ向かいました。酒蔵、味噌や醤油の醸造蔵、蔵を利用した土産物店やカフェなどが点在します。喜多方の町並みの特徴は、当たり前の風景の中に歴史が感じられること。歴史的建築群を観光資源としている町の多くは保存や整備が行き届いていますが、喜多方では市民の生活と共に残されてきたそのままの風景が見られるのです。

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ふと入り込んだ路地や商店街から離れた場所にも、今も現役の古い蔵が佇んでいます。足の向くままゆっくり散策をして、情緒ある風景を見つけてみてはいかがでしょう。そして、町の探索の途中でおなかが空いたらラーメンを。福島県はラーメン王国で、白河ラーメンも有名ですが喜多方ラーメンのブランドは全国区、120軒ほどのラーメン店があります。どの店のラーメンもあっさりしているので、1日に3軒くらいハシゴができそうです。

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郡山市のアキヤマ質店から喜多方市までは1時間ほど、会津若松市からは約40分、ぜひ足を伸ばしてみてください。同じくラーメンで有名な山形県米沢市からは、国道12号線を通って約1時間です。喜多方から米沢市に抜けてラーメンの食べ比べというのもよいでしょう。福島の復興のためにも、お出かけのルートに喜多方を組み込んではいかがでしょうか。
 
(記事・写真/島崎聖子)

今年も開催!仙台光のページェント

2013年12月10日

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 今年も冬の仙台市の風物詩「仙台光のページェント」が始まりました。12月6日(金)~31日(火)の17時30分~23時(31日のみ~24時)に、定禅寺通160本のケヤキ並木が約60万個のLED電球で覆われます。光の粒が通りの両脇から夜空を覆い、中央の遊歩道を歩くと光のトンネルが果てしなく続いているように見えます。18時、19時、20時に行われる「スターライト・ウインク」は、全てのイルミネーションが消灯して、再び一斉に明かりが灯るというもの。真っ暗な枝に無数の光が現れた瞬間には、思わず「わあっ」と歓声を上げてしまいました。サンタクロースが運転するキラキラの「ページェントカー」、勾当台公園市民広場にある高さ30mの「シンボルツリー」、勾当台公園の花壇周辺を彩る氷のようなイルミネーションなど、どこもかしこも幻想的です。アイススケートのコーナーや、宮城の食材を使った料理やビールを提供する「復興応援 キリンみやぎ絆キッチン」もオープンしていました。

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ページェントに訪れるのは宮城県内のほか、山形市や福島市、郡山市など近隣県からの観光客が多いのですが、今年は特に、外国人観光客が増加しているそうです。辺りを見回すと、外国人がたくさん歩いています。英語にフランス語、中国語、スペイン語やイタリア語?と思われる様々な言葉も耳にしました。

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 このイベントは1986(昭和61)年に始まり、今年で28回目。震災後も絶えることなく続いてきました。毎年開催されていることもあって、バスの車窓から眺めるだけの年もありましたが、今年はゆっくり通りを歩き、通り沿いのカフェでお茶をいただきながら窓からの景色も堪能しました。ぬくもりのあるオレンジ色の電球を眺めていると、28年間の記憶がいくつも立ち現れて、遠い日々に思いを馳せ...長いことぼんやりと光の世界に見入ってしまいました。

 
(記事・写真/島崎聖子)

約21万4千人が楽天選手に「ありがとう!」

2013年12月05日

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今年、プロ野球日本一になった「東北楽天ゴールデンイーグルス」の優勝パレードが、11月24日(日)に仙台市青葉区の東二番町通で行われました。今年の楽天の活躍は、地元宮城や福島、岩手など東北の被災者はもとより、日本中の人々に感動を与えたのではないでしょうか。あまりプロ野球に関心がなかった私も、シーズン後半からは殆ど毎試合テレビを観て、泣いたり笑ったりしながら必死で応援したものでした。ファンが待ちに待ったパレードは、仙台商工会議所前から五橋交差点までの区間で行われるとのこと、私はゴールの五橋交差点へ向かいました。開始約1時間前に到着した時には、沿道はすでにぎっしりと人で埋め尽くされ、パレードが通る線も全く見えません。

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聞けば、多くの人が前日から並んで場所取りをしたそう。地元仙台はもちろん、近県山形や岩手、福島の東北、はたまた東京など首都圏から来た人もいるようで、とにかくものすごい人出です。

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マーチングバンドの音は聞こえても姿は見えず、星野監督が乗っているというオープンカーの姿も見えず、けれどもバスの屋根に乗った選手たちの姿は見えました。田中将大選手は体も大きいので、すぐに見つけられます。「あ、嶋だ!」「銀次、ぎんじー!」「マギーもいる!」大好きな選手を見つけるたびに皆、大喜びです。そして次第に、人々は「ありがとう!」と叫び始めました。めいっぱい手を振りながら、誰もが声をふり絞って「ありがとう」と言っています。「夢と希望と勇気を与えてくれて、ありがとう!」。パレードに集った約21万人もの群衆の「ありがとう」に包まれて、仙台の街中には再び優勝の感動が蘇りました。

 
(記事・写真/島崎聖子)