郡山の質屋からおトク情報発信中

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読んで納得!質屋さん活用術

何気に分からない質屋さんの活用法。えっ、質屋さんってお金が借りられるの?今まで質屋だと思っていたお店はリサイクルショップ?リサイクルショップは質屋と違うの?などなど。
知れば知るほど意外と便利な質屋さんの活用法をお知らせします。

知っているようで知らない「質屋」の話 vol.35

2023年12月19日

日本酒はお好きですか?

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ブレラ質アキヤマは、金、ブランド時計、貴金属以外にもさまざまなお品物を取り扱う質屋です。例えばお酒も未開封であれば、ワイン、ウイスキー、ブランデー、そして日本酒等のお買い取りをさせていただいております。ときには世界的なコンテストで入賞を果たしているレアな国産ウイスキーが入荷することもあります。国産ウイスキーは国内外の評価が高く、ネットオークションでもたびたび価格高騰しては、ニュースや経済記事を賑わせています。

さて、今回のコラムのテーマは「日本酒」です。実は、日本酒も一部の人気銘柄の価格が非常に上がっています。中でも注目したい酒蔵と銘柄をいくつかご紹介します。まずは山形県村山市にある「高木酒造」。看板の「十四代(じゅうよんだい)」はあまりに有名です。高木酒造の創業は江戸時代の元和元年、西暦でいうと1615年という老舗です。徳川幕府の2代目将軍、秀忠の時代からお酒をつくり続けています。そして、山口県岩国市にある「旭酒造」。こちらは言わずと知れた「獺祭(だっさい)」の蔵元で多くのファンに支持されています。秋田県の「新政酒造」は1852(嘉永5)年の創業で、近年は「No.6」という斬新な銘柄が話題になりました。福島県の「廣木酒造本店」は「飛露喜(ひろき)」をはじめとする銘酒を世に送り出しています。

かつて「日本酒」は、若い方には敬遠される傾向がありました。しかし、蔵元の努力や創意工夫により、味わいそのものやネーミング、瓶のデザイン、飲み方の提案など、日々進化を続けています。現在では老若男女を問わず、さらには外国人にまで好まれるお酒となりました。日本酒を瓶で購入して自宅で飲むも良し、飲食店でおすすめの銘柄を教えてもらい、おちょこに一杯だけ試してみるのも良し、自分に合う日本酒を探してみるのも楽しいと思います。

日本酒が国産ウイスキーのごとく価格高騰しているのはなぜでしょうか。「十四代」をピックアップしてお話ししたいと思います。

価格高騰の「十四代 龍泉」
その理由とは

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毎年11月~12月は「十四代」の特別な銘柄が出るシーズンです。十四代には「龍月(りゅうげつ)」「双虹(そうこう)」「白雲去来(はくうんきょらい)」といった人気銘柄があり、中でも「龍泉(りゅうせん)」は別格です。定価1万5千円くらいのお酒ですが、当店は昨年、32万円でお買い取りしました。定価の21倍以上です。もともと量産できるお酒ではないのですが、このお酒に中国の方々が誰より熱い視線を送っているのが価格高騰の一因といわれています。中国人にとって「龍」と「泉」の字は縁起がよく、毎年1月~2月にあたる春節(中国の旧正月)に備えて買い注文が殺到するようです。中国の国内ではさらに価格が上がり、日本円にして50~60万円で流通していると聞きます。

私は商売柄、「龍泉」の知識だけは持っていたものの、「さぞかしおいしいのだろう」と瓶を眺めるだけの日々でした。ところが、ついに初めて龍泉をいただくチャンスが巡ってきました。知り合いの焼肉屋さんから「1本だけ入荷しましたよ」と連絡をもらったのです。720mlの龍泉がたったの1本、先着4グループのみ、1合1万円で提供してくださると聞き、私は「これは見逃せない」とばかりに家族を連れて伺いました。

「龍泉」は、酒米の山田錦を磨き上げ、低温発酵と氷温貯蔵による熟成を経て作られる純米大吟醸酒です。さらっとした甘さでありながら重厚感もあり、鼻を抜ける香りは爽快。目の前で開封していただいたので、わずかなシュワシュワ感も味わうことができました。龍泉のおいしさと香りを私は忘れることはないでしょう。

後日、当店女性スタッフも十四代をいただく機会があったそうです。外食した店で「龍月」と「双虹」が置いてあったのです。「明日も仕事だから」とウーロン茶にしようと思ったものの「お店で扱うお酒の味を知っておくのは勉強になる」と考え直したとか。感想を聞くと、「こんなにおいしいお酒は初めて」とのことでした。

日本酒も銘柄によっては、ジャパニーズ・ウイスキーのようにプレミアがつきます。折しも、お歳暮シーズンです。贈答用のお酒がご自宅で眠っている方、ぜひ酒類販売免許を持つブレラ質アキヤマにご相談ください。