がんばれ!東北!地域情報「復興」記事一覧

国営杜のみちのく湖畔公園でクリスマスイルミを初開催!

2017年12月28日

20171228_title.jpg宮城県川崎市の釜房湖畔にある国営みちのく杜の湖畔公園で、「クリスマスイルミネーション2017」が開催されているというので、見に行きました。国営みちのく湖畔公園は、東京ドーム約16個分もの広さがある、東北地方唯一の国営公園です。季節ごとの花を楽しめ、大型遊具が充実し、キャンプ場やボート、古民家などもある充実した施設で、宮城県内外から多くの人が訪れます。今年は園内で、12月2日(土)・3日(日)・9日(土)・10日(日)・16日(土)~18日(月)・20日(水)~25日(月)の計13日間、クリスマスイルミネーションが開催されました。仙台市街地から車で約40分ですので、仕事の後に出かけることも可能です。

morinokohan2_1.jpg 仙台市から国営みちのく杜の湖畔公園へ向かう際には、釜房ダムの釜房大橋を渡ります。蔵王連峰を背景にした釜房湖は、日没と共に刻々と色が変化して幻想的な風景です。美しい風景を眺めながら公園に到着すると、ちょうど闇に包まれる時刻に。昼間と同様に駐車場に車を停め、入園料を払って園内に入ります。カップルだけでなく、赤ちゃん連れの家族、高齢のご夫妻の姿など、幅広い世代の人が訪れていました。

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 入り口から入ってすぐに現れたのは、ハートが飾られた光のオブジェ。光の輪の中に入ることもできます。照明で照らし出された「時のひろば」を通り、大花壇のある「彩のひろば」に出ると、一面に青色の光が広がっていました。約4千㎡もの敷地に10万球の藍色のLED電球を使用して、蔵王から注ぐ「生命の水」の悠久の流れと満天の星空との融合を表現しているのだそうです。水の流れのように連なる青いイルミネーションに導かれて歩いてゆくと、星を頂いたツリーが現れます。彩の広場の奥にある不忘の滝は、青い光の滝となり、中を通り抜けることができました。
 崇高さを感じる青い光と面積の広さがこのイルミネーションの特徴ですが、何より、市街地の喧騒もなく人混みもなく、ゆっくり美しい景色を眺められるのがおすすめできる点です。デートにはぴったりだと思います。
 今年初開催ですが、来年も開催されることと思います。来年はぜひ、訪れてみてください。秋山質店のある郡山市からは、東北自動車道・山形道を利用して1時間半ほど、山形道宮城川崎ICから公園までは約10分とアクセスも便利です。

 
(写真/記事:島崎聖子)

海鮮丼と海絶景を堪能する 女川~牡鹿半島ドライブ

2017年10月21日

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「おいしい海鮮丼を食べたい。そうだ、女川へ行こう!」と思い立って、宮城県牡鹿郡女川町の商業施設「シーパルピア女川 ハマテラス」に出かけました。2016年12月にオープンしたこの施設内には、海鮮丼がおいしいと評判の「お魚いちば おかせい」があります。休日には行列ができる人気店ですが、訪れたのは平日の14時頃だったので、すぐに店に入ることができました。早速、目当ての「女川丼」(写真)をいただきました。10種類以上のネタがぎっしりのっていて、そのどれもが鮮度抜群でおいしいこと!わざわざ来た甲斐がありました。このお店には、魚介を積み上げるようにのせた「特選女川丼」(お値段も女川丼の2倍)もあります。

おいしいごはんを食べた後、「シーパルピア女川」を散策しました。女川駅前から海に向かってレンガ道が開けており、その両側に様々な店があります。中庭や広場も整備されているので海を眺めながら寛いだり段ボールアートの作品を見たりしながら、のんびりとまち歩きを楽しみました。

 レンガ道を歩いて女川駅に向かうと、駅舎前に足湯を発見。列車を待つ旅行者や地元の方が浸かっていました。私も仲間に入れていただき、埼玉県から旅行にいらしたご夫婦や災害公営住宅に住むおばあさんとおしゃべりをして、心も体もほっこり温まるひと時を過ごすごとができました。女川駅は日帰り温泉施設を併設しています。清潔で明るく休憩所もある施設なので、列車を待つ間にひと風呂浴びるのもおすすめです。

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 帰り道は牡鹿半島を廻って石巻に抜けることにしました。牡鹿半島はリアス式の入り組んだ海岸線が続き、カーブを曲がるごとに入り江が現れます。かつては入り江の漁村が趣のある雰囲気を醸し出していましたが、現在はたくさんの工事車両が作業をしています。高台には新しい集落が作られていました。とはいえ、海の美しさは変わりません。夕日が海面を染める景色は素晴らしいものでした。牡鹿半島には歩くとクックッと音がする十八成浜(くぐなりはま)や360度の大パノラマを望める御番所公園などの見どころもあります。途中で日が暮れてしまい、それらの場所を見ることができなかったのが残念でなりません。けれども、夜道を走っていると幾度も野生の鹿に出会い感激しました。

 秋山質店のある郡山から女川町までは車で約3時間半、女川港から牡鹿半島南端のご番所公園までは約1時間半ほどです。日帰りのドライブも可能な距離ですので、お出かけしてはいかがでしょうか。

 
(画像提供:宮城県観光課/記事:島崎聖子)

ポケモントレインに乗って 気仙沼にお出かけしてはいかが。

2016年05月22日

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 JR大船渡線で岩手県の一ノ関から宮城県の気仙沼に向かう間、ぼんやりと車窓を眺めていると、あちこちにポケモンキャラクターの姿が!いくつかの停車駅で、入り口や壁に絵が描かれていたり、ホームに人形が立っていたりするのです。気仙沼駅に到着すると、やっぱり、入り口にもポケモン像がありました。駅のチラシを見ると、JR一ノ関駅‐気仙沼駅間では、2016年9月25日まで土日祝を中心に、1日1往復、全席指定の「ポケモントレイン気仙沼号」を運行しているとありました。外装にも車内にもポケモンのキャラクターがたくさん描かれていて、プレイルームもあり、プレゼントも貰えて、とても楽しそうです。途中駅ではポケモンと写真撮影ができるフォトスポットやポケモンスタンプ台などを設置しており、スタンプラリーもあるそう。ポケモンと鉄道が好きなお子さんなら大喜び間違いなし!ではないでしょうか。

20160522_01.jpg 気仙沼駅に到着したのがお昼に近い時間だったので、駅の向かいにあるホテルパールシティ気仙沼でお昼ご飯を食べました。1階の「Cafe Restaurant & Bar INCENSE(インセンス)」でインセンスカレーをいただきました。香辛料と野菜や果物をたっぷり使っているのでしょうか、香りが高くフルーティーな味わいの本格的なカレーでした。赤いカレーや黒いカレーなどカレーは他にも数種あり、ハンバーグやスパゲティといった料理やデザートなどメニューも豊富です。ランチタイムにはコーヒーの割引やデザートのサービスもあるのも嬉しいところ。店内の雰囲気もとってもオシャレです。

 久しぶりに気仙沼市を訪れたので、Gotto(ゴット)を買いに行きました。株式会社パルポーで創業時から販売している、気仙沼では有名なお菓子です。スポンジとサブレとパイを重ねたもので、チョコ味・抹茶味・紅茶味・コーヒー味の4種類があります。今回は春限定のさくら味も購入できました。本店の「パルポー エトワアル」のほかに、市内に2店ある支店「Keiki」でも販売しています。

20160522_02.jpg 気仙沼駅の近くでは災害公営住宅の建設が始まり、鉄道の路線をバスで走るBRTに乗り込む多くの人の姿が見られますが、東日本大震災から既に5年以上が過ぎています。被害を受けた地域が広大で平地が少ない沿岸部の復興は、本当に大変なことだと改めて実感しました。
 気仙沼駅から再び列車に乗って一ノ関駅に戻り、新幹線の改札を入ると、ここにもポケモンがいました。秋山質店のある郡山から一ノ関までは、新幹線で約1時間です。気仙沼まで、ポケモントレインに乗って親子で旅をするのはいかがでしょうか。

(写真/記事:島崎聖子)

ゆったり寛いで景色を楽しめる 日本三景松島の穴場スポット。

2015年10月29日

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 爽やかな秋晴れの休日に、松島海岸に出かけました。秋の行楽シーズンは日本三景の松島もたくさんの人で賑わっていますが、ゆったりと景色を堪能できる場所をご紹介します。
 観光遊覧船発着所の向かい、松島蒲鉾本舗(松かま)・門前店の2階にある「SHOBIAN CAFE」は、ガラス張りの店内からもテラスからも眺望が抜群です。ですが、私のおすすめは3階のバルコニー。喧騒を離れた開放的な空間で、目の前に広がる海の風景を独り占めしているような気がします。2階のカウンターで購入した鮪のカツを挟んだバーガーを、3階のバルコニーに運んで、リゾート気分に浸りながらいただきました。遠く松島の沖まで見晴らせ、遊覧船が行き来します。ぼーっと海を眺めて、一日中座っていたくなるような快適な場所でした。

20151029_01.jpg 散策をしながら景色を楽しむには、福浦島がおすすめです。長い朱塗りの福浦橋で陸と結ばれている福浦島は県立自然公園となっており、たくさんの木々や草花を見ることができます。福浦橋を渡る人の数は多いのですが、木立に囲まれた遊歩道は人の多さを感じずに歩けます。福浦橋を渡るには通行料(大人200円、子供100円)がかかるのですが、森の中を歩きながら次々に現れる多彩な海の風景を楽しめるので、天気の良い日にはつい、ふらりと訪ねてしまいます。史跡の弁財天や広々とした芝生の広場、遊べる砂浜などもあり、お弁当を持参して家族でのんびり過ごしてもよいでしょう。

20151029_02.jpg 10月の松島も爽やかですが、11月になると円通院の紅葉も見頃になり、ライトアップも始まります。長い間修理が行われてきた瑞巌寺本堂も、来春には公開されるようです。松島はすでに訪れてい方も多いと思いますが、行くたびに異なる愉しみ方が発見できる場所でもあります。ぜひ、もう一度足を伸ばしてみてください。

 秋山質店のある郡山から松島までは、車で2時間45分程度です。松島海岸付近の道路や駐車場は混雑するので、私は今回JRを利用しました。仙台駅から仙石線の松島海岸駅まで約30分なので、たとえ座席に座れなくても、それほど苦になりません。秋山質店のある郡山から仙台までは、高速バスを利用してもよいかと思います。

 
(写真/記事:島崎聖子)

青い海と空、水平線を眺め湯に浸かる、至福のひととき、「わたり温泉 鳥の海」。

2015年08月08日

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 平成26年10月4日に日帰り入浴を再開した「わたり温泉 鳥の海」に行ってきました。「わたり温泉 鳥の海」は宮城県南部の亘理町にある温泉施設です。亘理町の荒浜地区は東日本大震災で約10mの津波に襲われ、この施設も2階部分まで浸水し甚大な被害を受けました。肌がすべすべになり体が温まると評判で、地元の人はもちろん仙台方面からも多くの人が利用する人気の温泉でした。震災前には私もしばしば利用していたので、再開のニュースを聞き、ぜひ訪ねたいと思っていました。

20150808_01.jpg 5階にある温泉は内湯と露天風呂があり、日替わりで男女入れ替え制です。見晴らしが良く、すぐ目の前の太平洋を眺めながらお湯に浸かることができます。とろみのある黄金色の湯につかって海を眺めていると、心も体も解きほぐされていくようです。福島県の相馬市から避難して亘理町で生活しているという方、仙台市内から週に一度は訪れるという方、夏休みの子どもたちなどがいて、心地よさゆえかお湯に浸かりながらの会話も弾みます。内湯と露天風呂を行き来して、爽やかな風にあたりながら、どの人もゆっくりと温泉を楽しんでいました。サウナや岩盤浴、レストラン、宿泊などは現在も休止していますが、1階には広々とした休憩所があり、入浴後ものんびり寛ぐことができます。

20150808_02.jpg 亘理町は気候が温暖でいちごの生産地としても有名、海の幸をたっぷり使ったはらこめしやほっきめしといった郷土料理もあり、食の豊かさも魅力です。温泉から車で1分の距離にある、亘理の地場産品を販売している「鳥の海ふれあい市場」でお買い物をして帰るのも良いでしょう。Brera秋山質店のある郡山市からは、東北自動車道白石IC経由で約2時間程度の距離です。日帰りでも十分に行ける距離ですので、夏休みにお出かけしてはいかがでしょうか。また、10月末頃からは町内の飲食店ではらこめしの営業も始まります。ぜひ亘理町を訪ねてみてください。
 
(写真/記事:島崎聖子)

秋保温泉街の新名所、 恋人の聖地、覗橋♡ハート

2015年04月20日

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 仙台の奥座敷と称され約1500年の歴史ある名湯、秋保温泉の温泉街に、2014年1月、「恋人の聖地」に選定された「覗橋♡ハート」を見に行きました。全国に132か所ある「恋人の聖地」の一つに秋保温泉の覗橋が選定され、「恋人と一緒に覗橋♡ハートを見ると幸せになれるかも」という噂を以前から耳にしていました。覗橋は秋保温泉の入口にあるアーチ型の橋で、橋を挟んで上下約1kmには美しい渓谷の磊々峡が続いています。この橋から見下ろすとハートが見つかるというのですが...。私はこれまでに幾度も覗橋を渡っていますが、ハートを見た記憶はありません。どこにあるのだろうと気になっていました。先日、覗橋の近くを通りかかる機会があったので、磊々峡の無料駐車場に車を停め、歩いて橋を渡ってみたのでした。すると、橋の真下にある磊々峡の岩に、ハート型の岩の窪みがあるではありませんか。窪みには水が溜まって、日光が当たるとキラキラ輝きます。これまで全く気がつきませんでした。このハートは削ったのではなく、自然にできた窪みなのだそうです。

20150420_nozokibashi01.jpg 私は仕事の帰りに一人で立ち寄ったのですが、やはりここはカップルで訪れるべき場所でしょう。覗橋のたもとから下流には、約650mの磊々峡遊歩道が整備されています。エメラルドグリーンの清流と岩の景観や新緑を眺めながら散策するのは気持ちがよさそうです。また、磊々峡は5~9月の毎週土曜日と5/2~5、9/19~22の18時30分~20時30分にライトアップされる予定です。ライトアップの時には幻想的な渓谷の姿を見ることができますが、この岩のハートが光の反射で赤く染まって見え、プロポーズには絶好のチャンスなのだそうです。近々プロポーズを、と考えている方は、この機会にトライしてみてはいかがでしょうか。
 この日はさらに、覗橋から国道286号線を秋保大滝方面へ進んで、「太田とうふ店」で竹豆腐(税抜き1個300円)を購入しました。太田とうふ店は宮城県産ミヤギシロメ大豆や岩手産青ばた豆、北海道産黒豆などを使った豆腐を製造販売しています。中でも、青竹の中に宮城県産大豆の丸いおぼろ豆腐が入った竹豆腐は、その場で食べてゆく人も多い人気商品です。大豆のコクと甘みがしっかりと感じられ、まるでムースのように濃厚でなめらかです。ぜひ一度、味わってみてください。

20150420_nozokibashi02.jpg 仙台市にも桜が開花しました。覗橋から太田とうふ店へ向かう途中の羽山橋付近は秋保地区の桜の名所です。桜並木を眺めながらお出かけするのもよいでしょう。秋山質店のある郡山市から秋保温泉へは東北自動車道を通って2時間程度、仙台南ICから国道286号経由で約15分です。JR仙台駅からは青葉山トンネルを通って車で約30分、仙台駅西口バスプールからは、秋保湯元へ約30分の直行バス「秋保・釜房仙台西部ライナー」も出ています。


 
(写真:仙台観光コンベンション協会/記事:島崎聖子)

華やかなつるし飾りが圧巻!秋保に一足早い春の彩り。

2015年02月27日

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 秋保観光の拠点として利用できる入館無料の施設、仙台市太白区秋保町の「秋保・里センター」で、2月11日(水・祝)~3月22日(日)に「第14回手づくりおひな様展」が開催されています。

20150227akiu_01.jpg手芸サークル「こまつな会」のメンバーによる古布を使ったつるし飾りをはじめ、市民の応募作品や地域の子ども達の作品、古いひな人形などが飾られており、訪れた人たちも思わず「わぁ」と声をあげてしまうほどの華やかさです。特に目を引くのは、古布を組み合わせ一つ一つ丁寧に作られた約2500個の人形や縁起物が、高さ4mの天井から床に届くほど繋げられた「巨大つりびな」。おそらく膨大な手間と時間がかけられているからでしょう、豪華絢爛でありながら、ぬくもりを感じる作品です。一方、今年は33名から応募があった公募作品は、布や和紙、ガラスなど様々な素材を使い、デザインにも工夫が凝らされていており、どれも素晴らしい出来栄えです。また、子どもたちの作品は、それぞれ表情にも味わいがあってほほえましく、つい見入ってしまいます。

20150227akiu_02.jpg この催しは「秋保・里センター」開設年度に冬の秋保に彩りを添えようと企画されたのが始まりで、回を重ねるごとに来場者も増え、昨年は1万6千人ほどが見学に訪れました。期間中は、毎週土曜日には折り紙体験会やミュージックライブ(どちらも無料)を予定しています。さらに今年は、3月14日~18日に仙台市で開催される第3回国連防災会議に合わせて、「特別企画~日本文化に触れよう~」と題して、3月16日(月)10時~15時(菓子が空くなり次第終了)には「秋保の里 弥生茶会」(1席200円)、17日(火)10時~12時・13時~15時には「コマの絵付け」(費用200円)、18日(水)10時~12時・13時~15時には「竹細工づくり」(費用200円)も開催されます。地元、東北に暮らす私達にとっても、おひな様を鑑賞しながら日本文化を体験できる良い機会ですので、ぜひ訪れてみて下さい。

20150227akiu_03.jpg また、おひな様展と同期間中、秋保地域の宿泊施設や観光施設、飲食店を巡る「秋保温泉Hot(ほっと)ひな巡りスタンプラリー」も開催されています。スタンプを集めると、抽選で秋保温泉で使えるペア宿泊券など豪華景品が当たるほか、スタンプラリーのチラシの提示で、日帰り入浴の割引などの特典が付く施設もありますので、参加してみてください。
 人々の願いや祈りが込められた手づくりのひな飾りで彩られた会場は、明るく華やいでいて、春の陽だまりの中にいるような気持ちになります。秋保の温泉に浸かり、ひな飾りを鑑賞して、ほのぼのとしたひとときを過ごしてはいかがでしょうか。秋山質店のある郡山市から「秋保・里センター」へは東北自動車道を通って2時間程度、JR仙台駅から宮城交通バスの快速で約30分ですので、週末のお出かけにもちょうど良い距離です。

 
(写真/記事:島崎聖子)

光が作り出す夜ノ森の桜並木、1万球増で明るさがアップ!

2015年01月06日

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 2014年12月6日(土)から、福島県いわき市いわき駅前大通りで「第3回いわき光のさくらまつり」が開催されています。福島県浜通りのシンボルだった富岡町の「夜ノ森さくら並木」に思いを寄せ再現したイルミネーションで、駅前大通りの36本のけやき並木に桜の形をしたLED電球が輝きます。今年は、昨年よりも1万球多い15万球が取り付けられました。また、これまで電球は幹と枝にまっすぐ付けてのですが、今年は巻いて取り付けているので、どこから見ても美しく全体に明るさが増した印象を受けます。このイルミネーションの特徴は、電球が桜の形をしていることと、白とピンクの電球を使用して満開の桜の色彩を作り出していること。温もりのある桜色の光に包まれて並木道を歩くと、夜ノ森の桜並木への人々の想いが伝わってきます。

20150106_いわき.jpg 夜ノ森の桜並木は、樹齢100年のソメイヨシノ500本が2.5㎞ほど連なり、花のトンネルとなる桜の名所です。東日本大震災の影響で、現在も並木の一部は9時~15時まで立ち入り可能な「居住制限区域」となっています。夜ノ森では、2014年春に4年ぶりに桜まつりが開催され、夜間のライトアップも行われました。
 いわき光のさくらまつりは、ペデストリアンデッキからの風景も美しく、白とピンクの光が混じり合い本当に桜の花が輝いているように感じます。連なる光を見つめていると、青空に映える満開の桜やライトアップされた幻想的な桜が思い起こされます。長年人々に愛されてきた夜ノ森の桜並木が来春も美しく花開くように、そしてこれからも福島の人々に希望をもたらすようにと、祈らずにはいられません。
 開催期間は2015年1月12日(月・祝)までなので、年が明けても見ることができます。新年の初デートが桜色のイルミネーションというのも素敵ですね。フォトコンテストも開催しているので、記念に写真を撮って応募してみてはいかがでしょう。締め切りは1月17日(必着)です。
 秋山質店のある郡山市からいわき市へは磐越自動車道を通って1時間20分程度、イルミネーション点灯時間は17時~23時なので、仕事が終わってから出かけても間に合いそうです。車でおでかけした際は、近隣駐車場を利用しましょう。電車でお出かけする際は、JR磐越東線で1時間30分程度です。高速バスを利用してもよいでしょう。


(写真/記事:島崎聖子)

自分も町づくりに参加したい!気仙沼の高校生「底上げYouth」。

2014年10月08日

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 宮城県気仙沼市で「底上げYouth」という高校生グループが、気仙沼市を活気づけるための活動をしています。始まりは2012年、外部から気仙沼に支援に来ているボランティアグループの活動を見た高校生2名の、「気仙沼に住んでいる自分たちも町づくりに参加したい。何かできることがあるのでは?」という想いからスタートしました。2人は友人や後輩に声をかけ、7名で活動を開始。現在のメンバーは、今年3月に卒業したOB・OGを含め30人になりました。気仙沼の良さを全国に知ってもらい、地元の人にも地域の良さを見直してもらいたいと、4つのチームに分かれて様々な取り組みを行っています。「恋人チーム」は気仙沼市に「恋人」という言葉発祥の歴史がある"煙雲館"がある事に着目、気仙沼市内の恋人スポットを紹介するリーフレット作成したり恋人スポットツアーを実施したりしています。「おまつりチーム」は地域の伝統文化を再認識してもらおうと、気仙沼みなとまつりで自らが作成した団扇を配布して祭りを盛り上げています。「フードチーム」は"あざら"という郷土料理を若者の好みに合わせてピザやパスタにアレンジすることを考え、市内で試食会を開催しました。「人チーム」は気仙沼で活躍している人々を紹介するフリーペーパーを発行しようと準備中です。

20141008_kesennuma01.jpg 「底上げYouth」の活動をサポートしているNPO法人底上げの理事・事務局長の成宮崇史さんにお話を伺いました。「引っ込み思案だった子は、人前で意見を言えるようになり、リーダーシップを発揮できるようになりました。また、活動を通してより一層地元を好きになったように感じます」。また、地域の人々も高校生たちの活動に心を動かされて、「底上げYouth」の活動を応援し一緒にPRをしてくれるようになったそうです。「今後の活動内容については『参加している子がやりたいことをやる』ということを中心にしているので、特にすべきことや目標などは決めていません。その方が、主体性が育まれますよね。卒業して代替わりしても活動自体が引き継がれてゆくことと、仲間と一緒に楽しく気仙沼のために活動をするということ、この2つがこれからの方向性でしょうか」。
 自分の育った町の復興のために何かをしたいという純粋な思いが町の人々を動かし、活動を通して自分たちも成長し、それが後輩たちへと受け継がれてゆく―そうして、高校生が地域を変える一つの力になる。「底上げYouth」の活動から、未来に希望を感じられるような気がします。

20141008_kesennuma02.jpg 先日、私も恋人スポットを巡ってきました。郡山市からは東北自動車道の一関ICを経て気仙沼市内まで車で約4時間、ちょっと長距離になりますが、唐桑半島や岩井崎にも足を伸ばしながら旬の牡蠣を味わうのもおすすめです。公共交通機関を利用するなら、新幹線で一ノ関駅へ行き大船渡線に乗り換えて気仙沼駅に向かっても、一ノ関駅から高速バスを利用しても良いでしょう。仙台市から気仙沼行きの高速バスが出ています。ぜひ気仙沼市を訪ねてみてください。


(写真:NPO法人底上げ/記事:島崎聖子)

7/19桂島海水浴場オープン!東日本大震災後の初泳ぎを!!

2014年07月18日

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 日本三景の松島湾の一部をなす浦戸諸島には、集落のある桂島、野々島、寒風沢、朴島のほか多くの無人島があります。波で浸食された奇岩と松による松島らしい見事な景観の島々です。
 東日本大震災後、桂島の海水浴場は休止していましたが、7月19日~8月17日オープンすることになりました。オープン前の6月末に行ってみたのですが、透き通った青い海と静かに波が寄せる砂浜が美しく、「こんな近場にこんなに素敵なビーチが!」「沖縄みたい!」と思わず興奮してしまいました。そうしてあまりの海の美しさに、仕事を忘れて裸足で海に...。そういえば、東日本大震災後に私は一度も海水浴をしていません。これまでそんな気持ちにはなれなかったのです。仕事で海に出かけることはあっても、浜辺で遊ぶことすらありませんでした。けれども、桂島の美しい海を眺めていたら「泳ぐのもいいな」と思えてきました。その後、海水浴場から歩いて西端にある観月崎展望台に上ってみました。展望台からは七ヶ浜方面が見渡せ、島から眺める松島湾の風景が新鮮でした。

20140718_shiogama.jpg 桂島へ行くには、本塩釜駅から徒歩8分の場所にあるマリンゲート塩釜から塩竈観光汽船を利用します。海風を受けて走る船の旅は快適で、松島湾の景色も存分に堪能できます。時間はわずか約20分(片道大人500円)、あっという間に桂島に到着です。離島へ出かけるというと、時間もお金もたくさんかかると思いがちですが、意外に簡単にいけるので、ぜひ訪ねてみてください。浦戸諸島には桂島のほか、朴島の菜の花畑や野々島のラベンダー畑と洞窟群、寒風沢島の田園風景など、季節ごと各島に人気の観光ポットがあります。どの島もとても静かで風景が美しく、時間がゆったりと流れているように感じます。船に乗って島々を巡り、散策するのもおすすめです。ただ、商店やトイレが少なく飲食店もないので、食事などは持って行ってください。
 また、塩竈には塩釜仲卸市場があります。市場内には145ほどの店舗があり小売業者や飲食店の方々が仕入れに来ますが、一般の人も買い物をすることができます。新鮮な魚介類を卸価格で購入できるので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。朝3時~13時(土日祝~14時)営業、水曜定休で、日曜日には朝市(6時~14時)も開催しています。
 秋山質店のある郡山市から車でお出かけするなら、マリンゲート塩釜までは東北自動車道・仙台北部道路を通り約2時間です。塩竈観光汽船は1日5便程度運行しているので、日帰りでも遊びに行けるかと思います。この夏は、手軽に離島のリゾートを楽しんでみてはいかがでしょうか。


(写真/記事:島崎聖子)

「桃源郷」は本当でした! 福島市の花見山公園。

2014年04月22日

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 4月17日に「福島の桃源郷」といわれる全国でも有名な花の名所、福島市の花見山公園を訪れました。花見山公園は、花木生産農家の方が自らの農地を長い年月をかけて開墾し、昭和34年から一般に開放している公園です。色とりどりの花々で覆い尽くされる風景は、毎年多くのテレビや雑誌で紹介されています。

20140422_hanami01.jpg 訪れた日は、ボケ、レンギョウ、ユキヤナギ、チューリップ、ソメイヨシノなど多くの花が満開で、まさに花見山のベストシーズン。あぶくま親水公園に車を停めて、シャトルバスで向かいました。シャトルバスを降りた大型駐車場からすぐに、花畑が広がります。隣の山の桜、菜の花、ボケ、歩みを進めるほどに次々と異なる花が現れて、様々な風景を見ることができます。一面の黄色い菜の花の向こうにある桜色の山、レンギョウと梅と桜のコントラスト、ユキヤナギの小路、そして花々の芳しい香り...。美しい花々と甘い香りに包まれて、夢うつつの心地です。桜の名所は日本に数多くありますが、桜の花のみが咲き誇るので、桜独特の迫力を感じます。けれども、花見山では桜の他に多種の花が咲くので、ほんわかと優しく心和む風景に感じられました。

20140422_hanami02.jpg この日も大型バスが数多く訪れ、頻繁に行き来するシャトルバスは満員で賑わっていましたが、他の観光地と異なり、散策をしていても人ごみが気になりません。花の美しさと甘い香りゆえでしょうか、大声で騒いだりはしゃいだりする人もおらず、敷地が広いので花見山の散策路を歩いていても多く人を見かけないのです。静かに、心ゆくまで桃源郷での時間を過ごすことができました。

20140422_hanami03.jpg 「みんなにきれいな花を見てもらい、心が安らげば」「花は自然災害にあっても春には美しい花を咲かせて私たちを癒してくれまる。花に負けないで、東日本大震災も乗り越え立ちあがってほしい」そんな思いで、花見山の所有者は花を育てていらしたと聞きます。花見山に佇んでいると、その想いが伝わってくるような気がしました。
 4月29日までは福島駅から臨時バスが出ており、臨時駐車場とシャトルバスも設けられています(周辺地区は交通規制もあります)。花郡山市や仙台市から車でわずか1時間、シャトルバスの待ち時間も僅かで便利です。花見山を訪れるなら、満開の「今でしょ!」です。 


(写真:川島啓司/記事:島崎聖子)

風情ある駅で足湯を堪能!会津鉄道の湯野上温泉駅。

2014年04月19日

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 3月に福島県南会津郡下郷町で仕事があり、会津鉄道の湯野上温泉駅に立ち寄りました。車で出かけたのですが、なぜ駅へ向かったかというと...足湯に浸かるためです。平成24年10月に湯野上温泉駅に足湯ができました。せっかく下郷町に来たというのに、湯の神が住むといわれる湯野上温泉に宿泊することも叶わず、「それでは足湯だけでも」ということになったのでした。

20140419_yunokami01.jpg 湯野上温泉駅は、大内宿になぞらえた茅葺屋根の駅舎でも有名で、平成14年に東北の駅百選にも選定されました。いつ見ても風情ある駅舎ですが、雪の中に建つつららが伸びた様子は、より一層の趣と厳かな雰囲気を感じます。駅舎の姿を写真に収めて、さっそく足湯に向かいました。暦の上では春とはいえ、湯野上温泉にはまだ雪がたくさん残っています。私は分厚いコートを着込んでいましたが足先は冷たく冷え切っていました。屋外でじっと座っているのは寒いかとも思いましたが、足を入れてみると温かくて、なんと気持ちの良いこと!冷たい足先にじーんと温もりが染みて、次第に全身がポカポカと温まってきました。清潔で広々としているのも快適で、ついのんびりと時間を過ごしてしまいました。辺りは静かで、湯気の向こうの風情ある駅舎と雪景色を眺めていると、仕事の忙しさも生活の煩わしさも遠のいてゆきます。足湯だけでも十分温泉を楽しんだ気分になり、満足して帰途に就きました。

20140419_yunokami02.jpg 会津鉄道は、西若松から会津高原尾瀬口まで57.4kmを運行しています。芦ノ牧温泉駅の名誉駅長であるネコ「ばす」やお座敷トロッコ列車も人気があります。私も時折、会津鉄道を利用しますが、駅に停車する度に各駅の駅員さんが手を振って見送ってくれたり、昔ながらの改札口があったり、南会津ならではのお弁当があったりして、旅情溢れる列車の旅を楽しめます。これからの季節、会津鉄道を利用して、国の天然記念物に指定されている「塔のへつり」や国選定重要伝統的建造物群保存地区の「大内宿」へ足を伸ばしてはいかがでしょうか。南会津地方も福島第一原子力発電所の事故の風評被害で観光客が激減しています。豊かな自然、歴史ある町並み、良質な温泉、人の心の温かさがいっぱいの南会津を訪ねる人が少なくなるのは、本当に残念です。新宿や浅草からも、鬼怒川温泉を経由して会津鉄道を利用することができます。東北からだけでなく、首都圏からも多くの人に来ていただきたい切に思います。そして旅の途中には、湯野上温泉駅の足湯もぜひ利用してみてください。


(写真/記事:島崎聖子)

女子なら春こそ行きたい!福島土湯温泉。

2014年02月19日

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 福島県福島市の土湯温泉では2月1日(土)~3月31日(月)の期間、「ふれ愛つちゆ ひなまつり」が開催されています。今年で3年目のこのイベントは、東日本大震災後に土湯のこけし工人が復興の願いを込めて130㎝もの大きさの「日本一のこけし雛」を製作して始まりました。温泉街の各所にはこけし雛やつるし雛が飾られ、各商店に展示されているつるし雛をめぐるウォークラリー、つるし雛コンテストなどが行われます。中でも今年の見どころは「座敷雛」。座敷雛は、土湯温泉と友好地協定を結んでいる愛媛県鬼北町に伝わるものですが、鬼北町から職人さんがわざわざ土湯を訪れて技術指導をし、それに基づいて製作をしたのだそうです。ひな壇に雛人形を飾るのではなく、六畳ほどの広いスペースに山や川、野原などの風景を再現して、そこに雛人形を飾るもので、豪華絢爛で風雅、一見の価値ありです。更に今回は、福島県をはじめ山形や宮城の東北六県各系統のこけし工人さんに依頼したこけし雛が並びます。土湯の人々と支援する全国の人々との絆が作る「ふれ愛つちゆひなまつり」は、華やかな中にもぬくもりがある美しさで、雛飾りを眺めているとほっこりと心が温かくなります。

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 また、4月19日(土)・20日(日)には「土湯こけしまつり」も開催されます。こけし工人によるこけし製作実演やこけし即売会、こけし絵付けコンクールの作品展示などを予定しているそうです。さらに、昨年12月に誕生した福島市土湯温泉のキャラクター「きぼっこちゃん」にも会えるかもしれません。きぼっこちゃんはイラストレーターのサカモトタカフミ氏が地元住民のアンケートを参考にデザインをした、かわいいこけしの女の子です。

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 雛祭りにこけしにご当地キャラクターと、2月~4月の土湯温泉には女性好みの楽しみがたくさんあります。仁田沼の水芭蕉や太子堂のしだれ桜など、土湯にある花の名所も訪れたいものです。土湯温泉は福島市街地から車でわずか25分、郡山市からも1時間かからずに行ける距離です。仙台市内や山形市内からも1時間半圏内ですので、ぜひ足を運んでみてください。

 
(写真:福島土湯温泉観光協会提供/記事:島崎聖子)

復興のカタチ② ~岩手県・盛岡市~

2013年10月02日

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物資供給の中心となった岩手県盛岡市
 震災直後、岩手県三陸沿岸への物資供給に大きな役割を果たした岩手県盛岡市。新幹線、高速道路、ともに寸断されたため、海路で秋田県を経由しての輸送が続く中、沿岸各地へ必要とされる物資を運ぶ拠点となった。

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 そして、震災後すぐにその中心的役割を担ったのが「SAVE IWATE」。盛岡市役所向かいのビルを本拠とし、多岐にわたる支援を現在も続けている。特に震災から数か月間は、全国各地から寄せられた支援物資の分配・輸送、情報発信に大きく貢献。現在もイベントや物資販売など、多角的 な支援を続けている。

カタチを変える三陸復興
 前述の「SAVE IWATE」には県内外から、多くの人が支援に駆け付けた。その中のひとりが鈴木亮平さん。東京都出身の鈴木さんは、震災後の6月に初めて岩手県を訪れ支援を始める。その後、当時勤めていた会社を退職。生活の拠点を盛岡市に移し、「SAVE IWATE」の職員として、物資の受け入れ、配送の手配などを担当した。そんな彼に、当時から現在にいたるまでの復興について話を聞くと、「震災からしばらくの間は課題が見えやすかったんです。必要な事、物のニーズがわかりやすかった。時間が経つに連れ、それが少しぼんやりしてきたことで、ボランティアの人数の減少や、一部で言われる復興の遅れというものに影響しているのかなと思います。それから、被災地の方たちが自ら復興しようという自立心と、外部から来た団体の支援がうまくかみ合わなくて、相乗効果をもたらせていないと感じます」と話す。感謝の心を抱えながらも、一部の人たちの間には被災者と支援者という大きな壁がある。そういった側面もまた、被災地のリアルな現状なのだ。

宮城県仙台市にも遠征!
新たな復興のスタイルを模索
 これまでも多くのワークショップやイベントに携わってきた鈴木さん。しかし、「そういったイベントはもちろん必要な部分ですが、その中では本当の人間関係の構築は生まれません。もっと、時にはお酒を酌み交わすことだったり、1対1で対話することだったり、人同士の強い結びつきを得ることが必要です。それこそが復興のパワーとなり、スピードアップにつながると思います」と、一方で気持ちの面でのつながりも強調する。

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 今年2月、鈴木さんは勤務していた「SAVE IWATE」を一旦退職し、新たなスタイルでの支援を目指し、日々活動している。現在は盛岡市の委託事業である被災者用シェアハウスの管理を行う傍ら、様々な取り組みを企画中だ。中でも面白いのが「若手会議」と呼ばれる組織の結成。岩手県に住む20~30代のいわゆる若手を集め、「楽しいことをして岩手を盛り上げていこう」という理念のもと、イベント関係を中心に活動。メンバーは岩手県全域で20名ほど。職種も支援団体のスタッフから、役所勤務の人間など幅広く、その立場ならではのアイデアや人脈を生かした企画を出し合い、実現を目指している。これまでには、大船渡市の会場でプロレスのリングに若者数人を登場させ、そこで復興に関する議題などを本音でディベートするというイベントを実施。また同様に、登場する若手を女子に限定した「若手女子会議」も開催し、会場は大いに盛り上がった。また、今後は宮城県仙台市などで、岩手の若手×宮城の若手によるイベントも企画中。双方にとって刺激となり、着火剤としての働きに期待が寄せられる事業だ。

 一番パワーにあふれる若手が先導して復興につなげること。そして、世代や地域、人と人との垣根を少しでも取り払うこと。これらが少しずつ進むことで、より骨太で、よりスピーディーな復興が果たされるものと信じている。

 
(記事・写真/高橋拓磨)

復興への祈りを込め宮城の仙台七夕が開催

2013年08月29日

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 8月6日(火)~8日(木)の3日間、例年通り仙台七夕が開催されました。今年のテーマは「つなぐ」、被災地の復興への思いと全国の支援者の気持ちをつなげていくという思いを込めたそうです。仙台市中心部の商店街に、豪華絢爛な吹き流しや短冊を下げた約3000本の青竹が並び、3日間で206.3万人もの人出がありました。

竹飾りでは市内小学生が作った折鶴や被災地の人々の願いを書いた短冊、子どもたちの手形が並んだ吹き流しなどが目につき、華やかな飾りに込められた想いが胸を打ちます。仙台市役所前の「おまつり広場」には短冊に願い事を書くコーナーがありましたが、自分の願い事よりも「東北に笑顔があふれますように」「被災地の人たちが幸せになれますように」など復興や被災者への祈りを込めたメッセージを書く人の姿が多くみられました。

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青森のねぶたや秋田の竿灯といった「動」の祭りに対して、仙台七夕は情緒ある「静」の祭りと言われます。風になびく吹き流しと色彩豊かなくす玉が連なる通りを歩いていると、東日本大震災で亡くなった人への思慕や追悼、悲しみや苦難、それを乗り越えて前向きに生きようとする意志や希望...震災後3年間のさまざまな事が思い起こされて切なくなります。仙台市内の中心部には活気が戻り、この七夕祭りも猛暑にもかかわらず、なかなか先に進めないほどの混雑ぶりでした。その賑わいさえも胸に染みるのは、訪れた人々がそれぞれの想いを抱いて絢爛豪華な七夕飾りを見ているからではないでしょうか。

また、今年は東日本大震災のため中断されていた「七夕踊り」が3年ぶりに復活しました。勾当台公園市民広場のステージで浴衣姿の「せんだい・杜の親善大使」ほか30人の踊りが披露されると、観客席でも自然に見物客が踊り出しました。賑やかな踊りの輪に、復興への希望と地域の絆を垣間見た気がしました。

 
(記事・写真/島崎聖子)

福島の相馬野馬追、 一日も早い復興を願う。

2013年08月21日

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相馬地方は福島県の北東部に位置し、郡山市から約70kmほどの距離です。相馬野馬追は、相馬の祖「平将門」が野馬を放って行った軍事訓練と、訓練で捕えた野馬を神前に捧げたことに由来するお祭りで、国の重要無形民俗文化財に指定されています。1000年以上の歴史があり、震災のあった2011年も亡くなられた方々の鎮魂と地域の復興を願い、縮小規模ではありましたが開催されました。昨年からほぼ例年と同じ規模に復活し、今年は7月27日から29日まで行われました。

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東日本大震災と東京電力福島第一原発事故という困難の中、こうして祭りを継続することができたのは、『野馬追を絶やさない』という相馬地方の人々の熱意と努力、そして野馬追を代々受け継いできた誇りがあったからです。震災前は400頭ほどいた馬の約半数が震災後に行方不明になり、現在も避難している人や馬を他の地域に預けている人もいます。祭り最終日の行事である野馬懸(のまがけ)が行われた相馬小高神社は、現在も日中しか出入りができない避難指示解除準備区域です。全国から馬を譲り受けたり借りたりして集め、福島や郡山などに避難している人々も都合をつけて祭りのために戻ってきて、開催が実現したお祭りなのです。

27日に行われた相馬中村神社の出陣式で、「東日本大震災と原発事故からの一日も早い復興を願い、威風堂々行進し武勲を挙げるように」と述べた総大将の言葉は、騎馬武者たちはもちろん、相馬地方の人々、全国から集まった人々の心に深く響きました。見物している人たちからは「避難をして福島市で生活しているが、野馬追には毎年必ず戻ってくる」「おばあちゃんのいる相馬にお祭りを見に来るのが楽しみ」「野馬追開催のドキュメンタリー番組に感動して、一目見たいと関西から来た」などの声が聞かれます。相馬野馬追が福島の人々の心の支えになり、相馬地域のみならず全国の人々をつなぐ役割を果たしているのだと実感しました。


(記事・写真/島崎聖子)

復興のカタチ(1) ~岩手県・普代村~

2013年08月05日

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風光明媚な北三陸

 盛岡市から車で約2時間30分。向かったのは普代村だ。隣接する田野畑村とともにこの一帯には、北三陸を代表する景勝地が点在する。高さ200mの断崖に奇岩怪石、ダイナミックな海岸線を見渡せる「北山崎」、北緯40度のシンボル塔、白亜の黒埼灯台、展望台といった見どころ満載の「黒崎」など、夏にはぴったりの場所ばかりだ。

プレハブで営業再開した漁師の食堂

 この日は好天に恵まれ、美しい景色を堪能できた。お昼となったので、目当ての食堂「魚定」に向かう。ある雑誌で沿岸特集が組まれていたのを目にし、魚定の豪華な海鮮ラーメンに心を奪われ、ぜひ一度口にしたいと思っていたのだ。お店は普代村の大田名部漁港のすぐそばにある。到着すると、地元客らしき方が何人もテーブルに座り生協の様子。迷わず頼んだ磯ラーメンは、海の香りに包まれた絶品の味わいだった。うに、大海老、ホタテなど10種類以上の魚介は漁港で揚がった新鮮なものばかり。一気にスープまで飲み干したあと、店主の太田定治さんの話を聞いた。
 「これからの時季は定置網にいろいろな魚がかかるからねぇ。みんなに普代の海の幸を楽しんでもらいたいよ」
と話す太田さんも漁師。震災時には店が流され、現在ではプレハブの仮設店舗で営業中だ。店舗横に掲げられている木彫りの看板は震災後しばらくして発見されたもの。営業再開へ向けたメッセージのように感じられたという。

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 現在は夫婦で切り盛り。環境面ではもっといろいろなものを揃えたいはずだが、そんな憂いもなんのその。おふたりは明るく、みんなに食べてもらえるのがうれしいと話す。
 焼き魚や刺身の定食など種類も豊富にあったので、またいずれ訪れ、味わってみたいものだ。

昔から地元民に愛される店

 帰りには普代駅近くの老舗菓子店「三船製菓」に立ち寄り、この土地では慣れ親しまれた「あいすきゃんでぃ」を購入。ひんやりとした昔懐かしい味に癒される。普代駅構内には「深渡商店」という駄菓子や生活雑貨を取り扱う店もある。ここのおでんは、駅を利用する学生らにとって、いってみれば"おふくろの味"。震災の前も後も、変わらずにこうしておでんがあることに、安心感を抱く人も多いのではなかろうか。

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 あたりを一通り巡って家路につく。今や空前の「あまちゃんフィーバー」に湧く北三陸。古き良き港町の風景を心に焼き付けながら、継続する勇気・根気の大切さを改めて感じた旅であった。


(記事・写真/高橋拓磨)