郡山の質屋からおトク情報発信中 「質屋情報」記事一覧

知っているようで知らない「質屋」の話 vol.41

2025年11月21日

金1グラム=2万円の時代到来
相場の動きに要注目

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早いもので季節は秋から冬へと移ろうとしています。紅葉狩りやキャンプなどのアウトドア、あるいはお買物など、お出かけするのが楽しい時期ですね。ドライブがてら、郡山の質屋「ブレラ質アキヤマ」にもぜひお立ち寄りください。ゆったり広めの駐車場を備えています。店内ではずらりと並んだブランド品を眺めるだけでも楽しいですよ。また、話題になっている金相場についてもお気軽にお尋ねください。

その金相場ですが、2025年9月29日、国内の金価格が初めて1グラム=2万円を超えました。金相場の上昇にはさまざまな要因が考えられます。最近ではアメリカの金利政策、高市新総裁誕生時の円安進行、ウクライナ紛争や中東に見られる地政学リスクなど、国内外における不安定な社会・経済情勢が金相場に反映されているのでしょう。

金相場はその後も上がり続けましたが、10月に入ってから大きく下落し、また上がったり下がったり不安定な動きを見せています。そのため、このコラムも何度も書き直す羽目になってしまいました(苦笑)。コラムを公開する頃、金相場はどうなっているのでしょう。リアルタイムの金買い取り価格については、ブレラ質アキヤマのホームページのトップをご覧ください。

いずれにしても金相場は、10年前、5年前どころか、1年前に比べても大きく上がっていることに変わりありません。相場である以上、今後の確実な見通しなど存在しませんが、1グラム=2万円というインパクトのある数字が出現したせいで、「金、高く買い取ります」というテレビやウェブCM、ポスティングチラシがますます増えているようです。何度もお伝えしていますが、「金をどこに売るか」はとても大切ですからじっくり考えてください。ブレラ質アキヤマは地域一番の買取価格をめざしており、実際に「ブレラさんに売ってよかった!」という声を何度も頂戴しています。先日も、初来店のお客様が持参された18金のネックレスや指輪などを、まとめて46万円でお買い取りいたしました。すると、「実は、いいところ10万円くらいかなと思っていたよ」と笑顔でおっしゃるので、こちらまでうれしくなりました。仮に某大手チェーン店ですと、当店の半分以下の金額を平気で提示することもありますので、くれぐれもお気をつけください。



インゴット「分割サービス」のご案内

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金を"資産"として所有するなら、真っ先に思い浮かぶのはインゴットですね。インゴットとは金属を貯蔵しやすくするために固められたもので、「延べ棒」「金地金(きんじがね)」などとも呼ばれます。金1グラム=2万円を超えたことがきっかけとなり、10月上旬には大勢のお客様が売却にご来店されました。その一方で、「やっぱり手放さないで、持っておこう」とお持ち帰りになる方もいらっしゃいました。

金のインゴットは資産として所有するのに最もスマートな方法です。しかし、相続となると話は別です。例えば、1キログラムのインゴットを3人のお子様に相続しようという段階で「さて困った」と頭を抱えることもあると思います。そんなときにおすすめしたいのがブレラ質アキヤマの「分割サービス」です。インゴットをいったん溶かしてグラムの小さいインゴットに作り直します。所定の手数料を頂戴しますが、お客様には「おかげで相続しやすくなったよ」とご評価いただいております。



質屋が初めての方も
品物を手放したくない方もブレラ質アキヤマへ

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話題は変わり、最近は「質入れ」のお客様が増えており、質預かりの過去最高額を記録しました。先日もPATEK PHILIPPE(パテック フィリップ)、PANERAI (パネライ)、HARRY WINSTON (ハリー・ウィンストン)といったハイブランドの腕時計や、数キャラットものダイヤモンドの指輪をお預かりし、金庫に大切に保管しました。

質入れは、質屋側から見ると「質預かり」といいます。お品物を預かることでお金を融資する取引のことです。お客様は3か月以内に質料(保管料+手数料)をお支払いいただくことで、お品物が手元に戻ってきます。質入れは、いわゆるブランドショップにはない、質屋特有のサービスです。

ところで、「質預かりの過去最高額」を記録したと申しましたが、これは、金やロレックスなどの相場が高騰しているからです。金庫が物理的にパンパンになったわけではありません(笑)。質預かりが多い=景気停滞ともいえるので少し複雑な気持ちもありますが、それ以上に、お客様がモノを大切にする心の表れなのだと感じています。

ちなみにパテックフィリップは、販売店が転売対策として保証書を2年間預かる方式に変更したことをご存知でしょうか。ブランド時計の売却や質入れは、保証書や箱など付属物が揃っているに越したことはないのですが、このように店が保証書を預かる場合はもちろん例外です。本物であると確認できればだいじょうぶですので、保証書がお手元にない場合もお気軽にお尋ねください。

知っているようで知らない「質屋」の話 vol.40

2025年08月08日

「終活」ならブレラ質アキヤマへ

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今回のコラムのテーマは「終活(しゅうかつ)」です。終活とは、「人生の終わり、締めくくりのための活動」のことです。終活の意味合いは広く、遺言やエンディングノートの準備から、身の回りの持ち物を片付けることまで含まれます。今ではテレビやネットでも話題になるほど、終活は広く浸透してきています。

考えてみれば、超高齢化社会の日本で終活が広まるのは自然な流れかもしれません。というのも、私たちは幼い頃から「モノを大切に」と教わり、「もったいない精神」を身につけながら大人になってきました。年齢を重ねるほどにモノがどんどん増えていくのはある意味、当然だといえるでしょう。しかし、あるときふと「何年も使っていないモノが意外と多い」と気づきます。そこで、「本当に必要なモノ以外は手放そう」という心理が働くのだと思います。お子さまやお孫さんに譲るのも一つの手ですが、それだけでは家の中は片付きません。そこで、質屋の出番です。

実はブレラ質アキヤマにも、終活をきっかけにご来店されるお客様が少しずつ増えています。60代くらいの方が、ご自身の持ち物、ご両親・祖父母の遺品をお持ち込みになることが多いです。例えば、宝石箱に眠ったままの指輪やネックレス、腕時計、贈答品のお酒。少し変わったものでは、未使用の切手やテレホンカードもお買い取りの対象になります。めずらしいものでは、お侍さんの時代に使われていたような「古銭」がございます。筆頭格は何と言っても金の小判です。それ以外の古銭は値段をお付けするのがちょっと難しくなりますが、珍しい古銭の中にはプレミアがつくものもございます。

お盆に家の中を整理しませんか?

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今年もお盆が近づいています。ご家族でふるさとに帰省されたり、あるいは県外から帰ってくるご家族を迎えたり、"実家"にみんなが集まる時期ですね。この機会に、家の中を片付けてみてはいかがでしょうか。もしかしたら、「お仏壇仕舞い」について話し合いになるご家族もいらっしゃるかもしれません。

仏具の中では「おりん」など、金でできたものはもちろんお買い取りさせていただきますので、ぜひご相談ください。ただし、ひとつ気をつけていただきたいことがあります。それは、金でできたお位牌です。金は地金業者などに流通し、最終的には溶かされることがほとんどです。お位牌の中にはご先祖様の魂が宿っているとされています。手放される場合は、お寺での魂抜きの供養等が必要になります。先に一度、当店までご相談くださいますようお願いいたします。

金相場は高騰が続いているため、金製品をお持ちになる方はやはり多くいらっしゃいます。こちらのコラムでも、私は繰り返し「金はどこに売るかが大事」とお伝えしてきました。金の買取価格は店によって大きく異なりますし、中にはお客様が売ってくれるまで帰らせてくれない、といった話も耳にします。「○○屋」などの派手なチラシやCMに惑わされず、金のことはぜひ当店にご相談ください。ご満足いただけるよう、誠実に対応させていただきます。

終活は、これからの人生に本当に必要なもの、本当にやりたいことを見つめ直す良い機会だと思います。物質的な豊かさとは異なる、「生きている今」をより豊かにするための活動、それが終活です。ブレラ質アキヤマは、皆様の終活をお手伝いさせていただきます。

さて、8月は当店も夏季休業を頂戴しております。8月11日(月)、13日(水)~17日(日)は休業日となっております。お盆明けに、すてきなお品物と出会えるのを楽しみにしております。

知っているようで知らない「質屋」の話 vol.39

2025年06月02日

年に2回は
東京の催事でご接客

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4月15日、ブレラ質アキヤマは創業18周年を迎えました。これもひとえにお客様、お取引先様のおかげです。改めて感謝申し上げます。今後も皆様に喜んでいただけるようにますます精進してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

4月を振り返りますと、東京の新宿にある京王百貨店の「質流れ品大市」に出店しました。広い催事場に全国の質屋が集まり、質流れ品を販売する一大イベントです。たくさんのブランド品や宝石類が1つのフロアに集まるため、大勢のお客様で賑わいます。年に2回、私も催事期間中は1週間ほど東京に滞在します。がんばって準備したブランド品を挟んでご接客をしながら、東京のトレンドを肌で感じる貴重な機会でもあります。

休憩中や閉店後は、街に出てブランドショップを観察することもあります。新宿で見かけたロレックスの正規販売店では、お客様に整理券を配布して入店時間に制限を設けていました。メーカーの方でも値上げを実施したのでロレックスの入手はより困難になっています。こうした販売店やメーカーの動きの背景にあるのは「転売対策」です。いわゆる"転売ヤー"に「ロレックスを買っても旨味がない」と思わせる狙いがあるようです。

ちなみに偽ロレックスにも要注意です。デイトナやサブマリーナーなどの人気モデルのニセモノ、時計以外ではシャネルやエルメスのバッグもニセモノが出回っています。ときにはニセモノが質屋に持ち込まれることもあるため、質屋側も対策に取り組む団体を組織し、活動をしています。東京の「質流れ品大市」は質屋同士が顔を合わせるまたとない機会ですから、偽ブランド品について情報交換し、傾向と対策を練っています。いうまでもなく、偽ブランド品を製造する、売る、輸入するといった行為は違法です。商標法、不正競争防止法、著作権法、関税法、詐欺罪などに触れる恐れがあります。私は偽ブランド品の情報を見聞きするたび、犯罪に対する怒り以上にブランドの価値が傷つけられていると感じ、悲しくなってしまいます。この世から偽ブランド品がなくなることを願うばかりです。

シリアスな話はこれくらいにして、東京の催事でもひときわ輝いていたブランド「カルティエ」についてお話ししたいと思います。




再注目したい
「カルティエ」の魅力

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ジュエリー、皮革製品、時計などで知られる老舗ブランド「カルティエ(Cartier)」は1847年、ルイ・フランソワ・カルティエによってパリで創業されました。1847年の日本は弘化4年、第12代将軍の徳川 家慶(いえよし)の時代です。ここ最近になってさらにカルティエに熱い視線が注がれているのには、いくつか理由があるようです。

まずはカルティエのアイコンのひとつ「トリニティ」コレクションが2024年に100周年を迎えました。表参道では記念イベント「TRINITY 100」が開催され、多くのファッション誌やSNSで話題になりました。2024年に発売された「サントス デュモン リワインド」は「リワインド(rewind)=巻き戻し」の名の通り、逆方向に針が動く時計として世界を驚かせました。バングルのようなルックスの「リフレクション ドゥ カルティエ」は、鏡面仕上げの美しいデザインが評判になりました。"落ち着いた大人のブランド"のイメージで語られることが多いカルティエですが、新しいコレクションは既存のユーザーから若い方まで広い世代に響いたのではないでしょうか。現在、開催中のEXPO 2025 大阪・関西万博にある「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」も一見の価値がありそうです。

「トリニティ」「ラブ」「タンク」といった定番コレクションを展開し、老舗ブランドならではの品格を保ち続ける一方で、時代の流れを敏感に察知し、あっと言わせる斬新なコレクションを生み出すカルティエ。不安定で不穏な今だからこそ、カルティエを身に付けることで安心し、心が満たされるのかもしれませんね。

とはいっても、新品のカルティエはなかなかのお値段です。素敵な中古カルティエとの出会いをお求めの方、お手持ちのカルティエの質預かりや売却をお考えの方は、ぜひブレラ質アキヤマに遊びに来てください。

知っているようで知らない「質屋」の話 vol.38

2025年01月25日

2024年「金相場」の振り返り

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あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりありがとうございました。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。さて、今年の第1回目のコラムは、2024年の振り返りと2025年の展望についてお話ししたいと思います。

2024年、最もホットだった商品はなんといっても「金」です。ご存知のとおり金相場は上昇が続いており、金1グラム=15,000円を超える時代を迎えました。しかし、10年前は金1グラム=4,000円~5,000円ほどでしたので、今はその3倍ほどの金額です。それにもかかわらず「金、高く買い取ります!」と銘打ったチラシを見てあわてて持ち込み、安く提示されても「10年前に買ったときよりずいぶん上がっているじゃないか」と即座に売ってしまったお客様が多数見られました。確かに10年前の金額よりは高くは売れましたが、後になってブレラ質アキヤマに持ってくればもっと高く買ってくれたと気づき、ガッカリした方も多くいらっしゃいました。

当店のお得意様からもこのような話を聞きました。近所に大手買い取り専門店ができたので「ブレラさんだったら20数万円で買ってくれるだろうけど、この店はどうかな」と考えながら金を持ち込んだところ、提示されたのは16万円。「昼休みにちょっと仕事を抜けて来たからもう一度来ます」と保留し、その日の夕方に再度そのお店を訪れると「25万円で買い取ります」と言われたそうです。そうなると逆に最初の16万円という言葉が引っ掛かり、結局、当店にご来店され、28万円でお買い取りさせていただきました。

昨年は3回テレビに出演する機会があり、そこでも金についてお話ししました。「番組を見たよ」という方が18金の喜平のネックレス100グラムを持って来店され、100万円を超える価格でお買い取りいたしました。お客様に喜んでいただけたこと、ブレラ質アキヤマを選んでくださったことをうれしく思いました。

コラムでもテレビでも「金を売る時はタイミングも大切ですが、どこに売るかはもっと大切です」と繰り返しお伝えしています。昨今は金の買取ビジネスが過剰になり、残念なことにお客様の意向を無視したような荒稼ぎをする業者も存在するようです。もし、金を売ることを考えている場合は、ぜひお問い合わせください。馬鹿正直にいうと当店は金の売買による利益は当てにしておりません。本業である「質預かり」が生みだす金利で商売が成り立っていますから、安心してご相談いただければと思います。さらにいえば、昨年はX線分析機を買い替え新型を導入しました。金やプラチナなどの純度を分析し、正確な査定をすることが可能です。郡山の買取専門店や質屋でX線分析機を置いているのは当店くらいではないでしょうか。今後もお客様に信頼され、ご満足いただけるよう、確かな査定に努めたいと思います。




2024年ブランド品とダイヤモンドの振り返り

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お次はブランド品です。2024年、ロレックス、エルメス、ルイ・ヴィトンなどのブランド品はお取引の機会が少なく、動きが鈍いと感じる1年でした。長引く不景気のためにお客様の買い替え需要が落ち込み、今、持っているものを長く使おうという心理が働いたのだと思います。反面、お酒、makitaやHiKOKIなどの電動工具、iPhoneは特に昨年後半にかけて多く取引させていただきました。

次に、ダイヤモンドです。ダイヤモンドの相場は2024年の1月と12月を比較すると半分近くまで下がりました。背景にあるのは、中国の景気冷え込みです。中国人観光客の数が減り、中国国内のジュエリー流通が滞っているのです。

お酒に関しても中国の景気に影響されました。中国人に人気の高木酒造の「十四代龍泉」は特に高値がつく銘柄で、2022年12月に34万円でお買い取りしていました。2023年になると中国の景気減退や原発処理水問題の風評が影響し24万円に下がりました。ダイヤモンドと同様に中国国内の流通停滞により、日本酒、山崎などの国産ウイスキーは2024年も下落傾向が続きました。

以上のようにダイヤモンド、お酒の相場が全体的に下がっているため、当然ながら投資家たちは新しい販路の開拓に力を入れます。その反動で、少し回復の兆しが見えています。2025年は大きな回復は期待できないものの、いずれにしても、中国に頼りっぱなしにならない日本の国内経済の活性化が求められていると感じます。




2025年の展望

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2025年はどのような年になるでしょうか。あくまで私個人の予想ですが、長期的な目で見れば金相場はゆるやかに上がり続けると思います。

昨秋、アメリカの大統領選でトランプ氏が再選しました。トランプ氏の「戦争終結」「経済の活性化」という発言を受け、金の価格は一旦下落しました。不安材料が消えれば金を所有するメリットが薄まるためです。しかし、トランプ氏の思惑通りにいくかどうかは未知数です。金相場はさまざまな要因で再び上がったり下がったりを繰り返しながら、ゆるやかに上昇を続けるのではないかと思います。

為替の影響が大きいロレックスやブランド品は、新品定価の値上げや品薄のために買いにくい状況が続いています。さらに、個人の趣味嗜好の多様化もあってブランド離れが進んでおり、以前ほど活発な売買は行われていません。いっぽう、中古価格は下降傾向にあります。ブランド品はトレンドや個人の心理も大きく影響するので、見通しが難しいのも事実です。

さて、2007(平成19)年に開店したブレラ質アキヤマは、今年の4月で18周年を迎えます。質屋の商売のメインである「質預かり」が昨年は堅調で、おかげさまで売り上げ・利益とも過去のトップ3に入る数字を記録することができました。質預かりによる利益は、金の買い取り価格に還元させていただいております。

デジタルやAIが社会や暮らしに浸透してきている現代において、質屋は人と人が顔を合わせ、言葉を交わすお店です。今後もお客様との気持ちのよいお取引を心がけ、長く愛される質屋でありたいと思います。

2025年が皆様にとって良い1年になりますことを祈念しております。今後もブレラ質アキヤマをよろしくお願い申し上げます。

知っているようで知らない「質屋」の話 vol.37

2024年10月08日

実は読めない人が多い!
「質屋(しちや)」

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福島県郡山市で質屋を営むブレラ質アキヤマです。今さらではございますが、「質屋」を「しちや」とすんなり読めますか?実は、「質屋」を「しつや......ですか?」とおっしゃる方が意外と多いんです。若い世代だけでなく、40代くらいの方も「しつや」と読んでしまうことがあるようです。さらにいえば、テレビ番組でアメリカの質屋が紹介されているのを見たときのこと。質屋のテロップに「しつや」とふりがなが添えられていました。翻訳時かテロップ作成時の誤りか真相は不明ですが、ちょっとびっくりしてしまいました。

質屋を「しちや」と読めない人が多いのは、なぜなのでしょうか。あくまで私の考察ですが、理由は主に2つあると思います。1つめに、「質」という漢字は「しつ」と読むケースが圧倒的に多いこと。例えば「品質」「糖質制限」「質が良い」などすべて「しつ」と読み、日常会話で頻繁に使われます。対して、「質」を「しち」と読むのは、せいぜい「人質(ひとじち)」「質流れ(しちながれ)」くらいで、使う機会も多いとはいえません。質流れに至っては質屋用語のひとつであり、質屋に行ったことがない人、質屋がどういう商売をしているか知らない人は読めないのもうなずけます。ちなみに、文部科学省が発行する「別表 学年別漢字配当表」を見ると、「質」は小学校5年生、「屋」は小学校3年生で習う漢字です。

質屋を「しちや」と読めない人が多い2つめの理由として、子どものお店屋さんごっこも背景にあるような気がします。世の中にはさまざまなお店があります。どなたも幼少時に一度はお店屋さんごっこをした経験があると思います。「パン屋」「八百屋」などが定番でですね。いずれも店員役とお客さん役に分かれ、コミュニケーションや経済活動を身につけられる楽しい遊びです。しかし、お店屋さんごっこで「質屋」をやった方はほぼいないのではないでしょうか。私自身、両親は先生と主婦という一般家庭に育ったので、質屋さんごっこをした経験はもちろんありません。

ぜひご活用ください
便利な質屋

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ここでふと、「質屋」以上に読むのが難しいお店の存在に気づきます。それは「八百屋」です。漢字だけ見ると質屋よりよっぽど特殊ですが、店はとても身近です。子どもだっておつかいで八百屋に行くこともあるでしょう。もしかしたら親や先生に読み方を教わる前に、遊びや暮らしを通していつのまにか「やおや」と覚えてしまうのではないかと思います。

そもそも、質屋は子どものお店屋さんごっこには向いていません。質屋では質預かりと売買があり、メインは質預かりです。子どもがごっこ遊びするにはちょっと難しいですよね。法的なことをいえば、質屋を利用できるのは18歳以上(条例によっては20歳以上)と定められています。

裏を返せば、質屋は大人のお客様に多くのメリットがあります。「質預かり」は、大切なお品物を手放すことなく融資を受けられるのが最大の魅力です。いわゆる「ブランドショップ」「買い取り専門店」にはない、質屋ならではの活用法です。また、消費者金融で借りたお金については「督促」がありますが、質屋は督促しません。「質流れ」としてお客様のお品物の所有権が質屋に移るからです。ほかにも、価格の動きが気になる金についてもぜひ質屋をご利用ください。ブレラ質アキヤマは金の市場を常にウォッチし、お客様に有益な情報をご提供しております。

一人でも多くのお客様に質屋の良さを知っていただき、「質屋」の読み方も世に浸透するとうれしいです。


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