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知っているようで知らない「質屋」の話 vol.10

2019年02月22日

ご存知ですか?
醸造酒と蒸留酒の違い

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2017年、国産ウイスキーの価格高騰が話題になりました。特に人気の銘柄は「山崎」「響」「白州」「余市」あたりですが、中でも「響17年」「白州12年」のプレミア価格は、テレビや雑誌などのメディアで大きく取り上げられました。国産ウイスキーの価格高騰の背景に迫る前に、まずはお酒の基本についておさらいしてみましょう。

お酒は作り方によって「醸造酒」と「蒸留酒」の2つに大別されます。醸造酒とは酵母の力で原料を発酵させて作るお酒で、代表的なものはワイン、日本酒、ビールです。醸造酒はさらに「単発酵酒」と「複発酵酒」に分けられます。単発酵酒の代表的なものがワインで、ブドウというひとつの原料+酵母で作られます。日本酒も発酵酒ですが、こちらは複発酵酒に類別されます。日本酒の原料である米にはブドウほど糖分が含まれていないため、まずは米のデンプンを糖に変える必要があります。複発酵酒は原料を「糖化」させたうえで、「発酵」させる2段階の工程が必要なのです。




7000年前に誕生
ワインは偶然できたお酒!?

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醸造酒の代表格であるワインの歴史は非常に古く、研究者によると今から7000年前、つまり紀元前5000年頃までさかのぼるとか。当時の日本といえば縄文時代ですから、驚きますよね。ワイン発祥の地はジョージアです。ジョージアとはヨーロッパとアジアにまたがる黒海の東に位置する国で、かつては「グルジア」と呼ばれていました。甕(かめ)に残っていたブドウの果汁が偶然発酵し、ワインができたといわれています。

対して、ウイスキーは「蒸留酒」です。ウイスキーのほか、焼酎やブランデーも蒸留酒に含まれます。蒸留酒は、醸造酒を蒸留させて作るお酒のことです。さて、「蒸留」とはどのようなものかご存じでしょうか。簡単にいえば、液体などを熱して沸騰・蒸発させ、蒸発したものを冷やして再び液体にし、濃度を凝縮させることをいいます。では、なぜ醸造酒をわざわざ蒸留させるのでしょうか。ここでピン!と来た方もいらっしゃるでしょう。そうです。蒸留によってアルコールの度数を高めることができます。醸造酒には水分とエタノール(アルコール成分の一種)が含まれています。水よりエタノールの方が、沸点が低く、気化しやすいのです。

蒸留酒はワインのような醸造酒に製造工程をプラスして作られるため、偶然できる代物ではないことがおわかりいただけたと思います。ウイスキーは、ワインなどと比べると歴史も比較的浅いお酒です。ウイスキーの起源はアイルランド説とスコットランド説があり、誕生したのは16世紀以降といわれています。(続く)

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