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知っているようで知らない「質屋」の話 vol.11

2019年03月31日

日本産ウイスキーは
1929年に誕生

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前回のコラムでは、お酒は大きく分けて「醸造酒」と「蒸留酒」があること、ウイスキーは醸造酒を蒸留して作る「蒸留酒」のひとつであり、誕生したのは16世紀のアイルランド、もしくはスコットランドである、というお話をしました。

さて、長らく鎖国していた日本にウイスキーが初めて持ち込まれたのは、幕末の頃と伝えられています。日本産ウイスキーが初めてつくられたのは、1929年です。この偉業を成し遂げたのは、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝であるのは有名な話。彼と妻であるスコットランド人女性のリタによる物語は、2014年9月から放送されたNHKの朝ドラ「マッサン」でも詳しく描かれました。

誕生から100年に満たない日本産ウイスキーですが、2017年に起こった価格高騰の背景にはいったい何があったのでしょうか。価格高騰の理由は、大きく4つ挙げられます。1つめに世界的コンテストでの受賞、2つめにメディアによる報道と情報の拡散、3つめにウイスキー製造会社による新しい飲み方の提案、4つめに原酒の不足です。




世界的コンテストに受賞!
日本産ウイスキーの実力

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日本産ウイスキーの世界的コンテストでの実績は錚々たるものです。特に有名なコンテストといえば、「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)」。これはイギリスの酒類専門出版社「ドリンクス・インターナショナル」主催の国際的なスピリッツ(蒸溜酒)の品評会で、ウイスキーのほか、ブランデー、ラム、ホワイトスピリッツ、リキュールの5部門に分かれています。同じくイギリスの「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」は、ウイスキー専門誌「ウイスキー・マガジン」主催、「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SWSC)」はアメリカで開催される世界的な酒類コンペティションです。

これらのコンテストに日本産ウイスキーも出品され、毎年のように好成績をおさめています。例として、2016年のISCでは、サントリーの「響21年」がトロフィー、「響17年」、「白州25年」、「白州18年」、ニッカの「竹鶴ピュアモルト」が金賞を受賞。同年のWWAでは、サントリーの「響21年」がワールドベストブレンデッドウイスキーを受賞しました。翌2017年のISCでは、サントリーの「響21年」が最高賞にあたる「シュプリーム チャンピオン スピリット」に輝き、「白州25年」「白州18年」ほかと、ニッカの「竹鶴25年ピュアモルト」が金賞を受賞しました。同年のWWAでは、サントリーの「響21年」がワールドベストブレンデッドウイスキーを受賞しています。

これらの受賞は一部にすぎず、サントリー「山崎」の12年、18年、25年や、ニッカ「竹鶴」17年、21年なども受賞の常連として名を連ねています。2018年も日本産ウイスキーが大いに健闘したことから、価格高騰はしばらく継続するものと思われます。(続く)